浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツ史|都市史

1945年以降のハンブルクにおける右翼の暴力を記録するウェブサイト

「1945年以降のハンブルクにおける右翼の暴力」というウェブサイトを知りました。リンクを貼っておきます。 Rechte Gewalt in Hamburg 「地図」、「年表」、「テーマ」、「用語集」の項目が立てられ、それぞれのページで整理されています。 "Hamburg rechtsa…

ブレーメン・アフリカ資料館の検証作業終了報告書について

ブレーメン大学のワーキンググループ「ブレーメンの植民地史と現在(Bremens koloniale Geschichte & Gegenwart | Bremen's Colonial History Working Group)」というホームぺージに、ブレーメン・アフリカ資料館(Bremer Afrika Archiv)の収蔵物を検証す…

抗議/建築――H-Soz-Kultの近著書評

2023年11月18日に、ドイツ語圏の歴史学総合ポータルサイト、H-Soz-Kultに、抗議活動・社会運動と建築という二つのテーマを重ね合わせた論集についての書評が掲載されました。ちょっと興味がわきましたので、リンクを貼っておきます。 Rezension zu: Protest/…

ハンブルク、1923年――ハンブルク歴史博物館展示について

ハンブルク歴史博物館(Museum für Hamburgische Geschichte)では、1923年に焦点を当てたハンブルクの歴史についての一連の展示シリーズが開催されています。 2023年9月20日から2024年1月7日までは、「脅かされた都市(Die Bedrohte Stadt)」というタイト…

メルン、1992年――現在の歴史より

体調を崩してしばらく寝込んでいました。ようやく少しずつ日常に戻りつつあります。このブログも無理しすぎずに更新していきたいと思います。 だいぶ前の記事ですが、2022年11月23日に、Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に、「メルン、1992年――暴力と…

オスナブリュック博物館地区の多様な都市史の展示について

ドイツのニーダーザクセン州の都市オスナブリュックの「博物館地区( Museumquartier)」というウェブサイトを知りました。そこに、多様な視点から、オスナブリュックの移民・難民・差別の歴史へ様々なまなざしを向ける展示についての解説ページがあり、関連…

ドイツ民主共和国におけるユダヤ――ベルリン・ユダヤ博物館の展示について

ベルリン・ユダヤ博物館で2024年1月14日まで、ドイツ民主共和国におけるユダヤ系の人びとの経験をテーマにした展示会が開催されています。 Ein anderes Land, in: Jüdisches Museum Berlin タイトルをどう訳すかは悩みますね。「(かつてと)違う国を」あた…

ナチ期のベルリンにおける抵抗と迫害についてのブログ

ナチ期のベルリンにおける抵抗と迫害について記録し伝える、"Black" & "Mieze" というブログを知りました。リンクを貼っておきます。 "Black" & "Mieze" Blog zu Widerstand und zu Verfolgung in der NS-Zeit ニコラス・バッセさんという修士号を取得された…

ベルリンの1848年革命についての講演――Helle Pankeより

ヘレ・パンケというローザ・ルクセンブルク財団系列の協会がありまして、2023年6月29日、そのYouTubeチャンネルに、リューディガー・ハハトマンさんの講演「ベルリン1848年とヨーロッパ革命」がアップされました。YouTube動画ですが、関連書籍の書影と音声の…

ベルリンの左派社会運動の書店シュヴァルツェ・リッセについてのインタビュー記事――nd紙より

2023年5月22日、ドイツ語圏の左派系ジャーナル nd 紙Kollectiveökonomie(協同経済)の欄に、左派社会運動系の書店シュヴァルツェ・リッセ(Schwarze Risse、黒い裂け目、割れ目の意)についてのインタビュー記事が掲載されました。 Niels Seibert, Kollekti…

ゾーリンゲン放火殺害事件から30年――オープンアクセス論文集

1993年5月29日の夜間にゾーリンゲンでトルコ人移民家庭に対する放火殺害事件が発生しました。2023年はそれからちょうど30年になります。その事件を振り返る論文集が、4月に刊行されました。オープンアクセスです。 Birgül Demirtas / Adelheid Schmitz / Der…

バウハウスと戦間期左派学生運動――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

バウハウスの歴史を扱った論説を、たびたび目にしますが、今度は社会主義をタイトルに掲げた書評を紹介します。 Bernd Hüttner, Sozialismus am Bauhaus, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung, 21. März 2023. これは近著の2冊を取り上げたもので、1920年代末・1930…

1848年三月革命時のベルリンのバリケード――nd紙より

2023年3月17日、ドイツの左派系オンライン紙 nd より、1848年三月革命175周年を機に、ベルリン市街戦をテーマとした論説が掲載されました。 Rüdiger Hachtmann, Revolution 1848/49: Barrikaden in Berlin, in: nd, 17. März 2023. 冒頭の段落を紹介します。…

クルト・アイスナーについてのあれこれ

2023年2月末にバイエルン州立図書館での資料収集のために、ミュンヒェンへ行ってきました。 その週末にミュンヒェン市博物館を訪問したところ、クルト・アイスナー(Kurt Eisner)にまつわる展示も見つけました。同博物館では、生誕150周年にあたる2017年に…

ゲッティンゲン・ポストコロニアルの映画プロジェクト

ゲッティンゲン・ポストコロニアルという地域から植民地主義を批判するポストコロニアル的社会活動を行う団体があります。 そのウェブサイトでは、クラウドファンディングによるドキュメンタリー映画の制作プロジェクトが紹介されています。最近、知りました…

ナチ期ベルリンからの強制移送の道をたどる音声ガイドについて

1941年10月18日、ベルリンからユダヤ系の人びとに対する体系的な強制移送が始まりました。その強制移送の道すじをたどる音声ガイドのウェブサイトを知りまして、リンクを貼っておきます。 Audiowalk: "Ihr letzter Weg" ダウンロードできる音声データ、関連…

フライブルクと植民地主義――アウグスティン博物館の展示について

2022年6月25日から2023年6月11日まで、フライブルクのアウグスティン博物館(Augustinermuseum)で「フライブルクと植民地主義――昨日?今日!(Freiburg und Kolonialismus: Gestern? Heute!)」が開催されていることを知りました。 フライブルクの美術館・…

ベルリンの壁の建設――ドイツ連邦文書館のヴァーチャル展示より

ドイツ連邦文書館ウェブサイトのヴァーチャル展示シリーズについてです。今回は、「1961年8月13日――ベルリンにおける東西国境閉鎖と壁の建設」です。 13. August 1961: Schließung der Sektorengrenzen in Berlin und Bau der Mauer, in Bundesarchiv Intern…

ライプツィヒ市の女性史の取り組み――200名の歴史上のライプツィヒ女性のポートレート集

ライプツィヒ市のホームページに「女性が歴史をつくる――ライプツィヒの女性ポートレート集」という特設サイトが公開されていることを知りました。以下は解説文へのリンクです。 Frauen machen Geschichte - Leipziger Frauenporträts - Stadt Leipzig 15世紀…

150年前のベルリン住宅闘争――nd紙より

2022年7月15日、ドイツ語圏の左派系メディア nd 紙に、「歴史的な住宅賃貸狂乱」というタイトルで、150年前のベルリンのブルーメンシュトラーセという通りで起きた立ち退きをめぐる抗議と騒乱について紹介する論説が掲載されました。 Axel Weipert, Mietenpr…

ドイツ・テューリンゲン州の植民地主義的過去への取り組み

今回は、ドイツのテューリンゲン州における植民地主義的過去についての取り組みを紹介します。 Koloniales Erbe in Thüringen. Wissenschaftliche Koordinationsstelle Erfurt/Jena. 直訳すれば「テューリンゲンにおける植民地遺産――エアフルト/イェナ学術…

ベルリンの植民地主義的過去への取り組み

ベルリンに「ベルリンを脱植民地化する(Decolonize Berlin)」という団体がありまして、そのウェブサイトへのリンクがこちらです。 Decolonize Berlin その Decolonize Berlin のウェブサイト内に、「Koordinierungsstelle(調整局)」というページがありま…

ハンブルク現代史研究所の動画チャンネル

最近、vimeo というインターネットサービスを使って、ドイツ語圏の歴史系の動画がアップされていることに気づきました。 たとえば、ハンブルク現代史研究所(Forschungsstelle für Zeitgeschichte in Hamburg, FZH)は、このコロナ危機以降、チャンネルを開…

2022年のドイツ労働史協会博士論文賞――1950-75年トリノとミュンヒェンにおけるイタリア系労働移民

2022年3月3日に、ドイツ労働史協会(German Labor History Association)の会員総会が開催され、そこで2022年同会博士論文賞が授与されました。出版された受賞作はこちらです。 Olga Sparschuh, Fremde Heimat, fremde Ferne. Italienische Arbeitsmigration…

ザクセン・ポストコロニアルについて

2022年6月23-24日、ライプツィヒ大学で、「ザクセン・ポストコロニアル」というタイトルのワークショップが開催されることになりました。ザクセンで(ポスト)植民地主義の問題について、さまざまな形で取り組む活動家・研究者に向けた、ネットワーク構築の…

パン・アフリカ主義活動家 Joseph Ekwe Bilé のベルリン記念銘板

ベルリン州政府は、2022年4月12日のプレスリリースで、パン・アフリカ主義活動家ヨーゼフ(ジョゼフ)・エクウェ・ビレ(Joseph Ekwe Bilé, 1892-1959)がベルリン記念銘板で顕彰すると発表しました。そして、4月21日に記念式典が開催されました。 プレスリ…

ベルリンの「躓きの石」について

ベルリンを歩いていると、本当に「躓きの石(Stolperstein)」によく出くわして、そのたびに立ち止まっています。「ベルリンの躓きの石」というウェブサイトがあり、そこで情報を入手できます。 Stolpersteine in Berlin このウェブサイトを知ったきっかけは…

ライプツィヒ大学――第二次世界大戦後の左派知識人の交流の場として

2022年3月25日、ドイツ語圏の左派系メディア、nd のウェブサイトに、「一時的な協定」と題して、第二次世界大戦後のライプツィヒ大学が左派知識人にとって果たした役割を解説する論説が掲載されました。 Ernst Müller, Ein Pakt auf Zeit, in: nd, 25. März …

第一次世界大戦後ベルリンにおける土地所有の社会化の試みとその失敗――Jacobin紙より

2022年2月14日、ドイツ語の左派系オンライン・ジャーナル、Jacobin 紙のウェブサイトに、「どのように最初のドイツ社会化委員会は失敗したか」というタイトルの論説が掲載されました。 Dietmar Lange, Wie die erste deutsche Sozialisierungskommission sch…

書評「下からの歴史――バイエルン・レーテ共和国」について

2022年1月30日、ドイツ語でアナーキズムというタイトルのウェブサイトに、Geschichte von unten: Die bayerische Räterepublik(下からの歴史――バイエルン・レーテ共和国)と題された書評が掲載されました。 Gabriel Kuhn, Geschichte von unten: Die bayeri…