浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

デジタル閲覧室の開始――ドイツ連邦文書館より

2024年2月8日、ドイツ連邦文書館のホームぺージに「デジタル閲覧室」の開始についてのプレスリリースが公開されました。リンクを貼っておきます。 "Digitaler Lesesaal" geht an den Start, in: Bundesarchiv - Internet, 8. Februar 2024. ひとまず、22万件…

カール・リープクネヒトとローザ・ルクセンブルクの暗殺について――ドイツ連邦文書館より

ドイツ連邦文書館のウェブサイトでは、「ヴァイマル共和国100年(100 Jahre Weimarer Republik)」という特設サイトがあります。このブログでも、何度か紹介してきました。 ドイツ連邦文書館の今年1月のSNSで、カール・リープクネヒトとローザ・ルクセンブル…

『基礎概念における20世紀』事典のオンライン公開について

オットー・ブルンナー、ヴェルナー・コンツェ、ラインハルト・コゼレックが編集した全8巻の Geschichtliche Grundbegriffe(歴史的基礎概念)という事典がありますが、その批判的継承をめざした、Das 20. Jahrhundert in Grundbegriffen という事典のオンラ…

「下からの反ファシズム」特集――Partecipazione e Conflittoより

イタリアの社会科学・政治学系のジャーナル、Partecipzione e Conflitto の第17巻第1号(2024年)に「下からの反ファシズム」という特集が組まれました。ちょっと興味がわきましたので、リンクを貼っておきます。 Partecipazione e Conflitto, Vol. 17, No. …

ドイツにおける研究者の任期付きの雇用形態を止めさせるためのキャンペーンについて

すでにキャンペーン開始から半年が過ぎているようです。WeAct!という署名サイトのサービスを利用して、"Bündnis gegen Dauerbefristung in der Wissenschaft(学術における有期雇用反対同盟)"という団体が、ドイツ連邦教育研究大臣および関係連邦議会委員会…

ナチ期におけるシンティ迫害についてのラジオ放送劇――ドイツの公共放送局ドイチュラントフンクから

2024年3月10日、ドイツの公共放送局ドイチュラントフンクのラジオ放送劇のコーナーに、アネッテ・クフナー作 "Keine Namen, niemand(誰もが名もなき人びと)"というドキュメンタリー作品が放送されました。83分5秒です。 Hörspiel: „Keine Namen, niemand“ …

1938年11月9日の「ポグロムの夜」のヴァーチャル展示――ドイツ連邦文書館より

ドイツ連邦文書館のヴァーチャル展示シリーズの一つとして、1938年11月9日から10日にかけての夜に、ドイツ全土でナチ体制が組織したユダヤ系の人々に対する襲撃が起きたポグロムが取り上げられました。 Reichspogromnacht – Antijüdische Ausschreitungen in…

反ユダヤ主義についての教材リーフレット――ローザ・ルクセンブルク財団より

2023年8月にローザ・ルクセンブルク財団より刊行された『反ユダヤ主義を定義する?――政治教育事業のための助言』というタイトルの冊子を知りました。 Rosa-Luxemburg-Stiftung (Hg.), Antisemitismus definieren? Berlin 2023. 2年ほどの間、反ユダヤ主義研…

1945年以降のハンブルクにおける右翼の暴力を記録するウェブサイト

「1945年以降のハンブルクにおける右翼の暴力」というウェブサイトを知りました。リンクを貼っておきます。 Rechte Gewalt in Hamburg 「地図」、「年表」、「テーマ」、「用語集」の項目が立てられ、それぞれのページで整理されています。 "Hamburg rechtsa…

創設から1990年までのドイツ連邦憲法裁判所の訴訟資料が利用可能に

かなり以前のニュースですが、2023年9月11日にドイツ連邦文書館のプレスリリースで、ドイツ連邦憲法裁判所に関する、1951年の創設から1990年までの期間の訴訟資料が利用可能になったことが発表されました。 Verfahrensakten des Bundesverfassungsgerichts v…

ブレーメン・アフリカ資料館の検証作業終了報告書について

ブレーメン大学のワーキンググループ「ブレーメンの植民地史と現在(Bremens koloniale Geschichte & Gegenwart | Bremen's Colonial History Working Group)」というホームぺージに、ブレーメン・アフリカ資料館(Bremer Afrika Archiv)の収蔵物を検証す…

21世紀のグローバルな記憶を議論するドイツ語新刊書について

研究メモです。 2023年10月に、21世紀におけるグローバルな記憶文化を議論する新刊書が出ました。出版社のウェブサイトからの紹介ページをリンクしておきます。 Mirjam Zadoff: Gewalt und Gedächtnis. Globale Erinnerung im 21. Jahrhundert, München: Han…

ドイツ語圏におけるユダヤ史――Clio-Guideより

ミリアム・リュールップさんによる「ドイツ語圏におけるユダヤ史」という論説を見つけました。こちらは、「クリオ・ガイド(Clio Guide)」という歴史学向けのデジタル資料ハンドブックの第3改訂新版に掲載されたものです。 Miriam Rürup, Clio-Guide: Jüdis…

ジェンダー・ペイ・ギャップの歴史と現在についてのドイツ語論文集

研究メモです。 2023年11月、ディーツ出版社より、ジェンダー・ペイ・ギャップの歴史と現在についての論文集が出版されました。 Wiebke Wiede / Johanna Wolf / Rainer Fattmann (Hg.), Gender Pay Gap, Bonn: J.H.W. Dietz Nachf., 2023. 研究だけではなく…

左翼、近東紛争、反ユダヤ主義についての解説付き文献目録――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2014年にローザ・ルクセンブルク財団の 「分析(Analysen)」 シリーズの一冊として、ペーター・ウルリヒさんによる『左翼、近東紛争、反ユダヤ主義――一つの論争を通じた道案内』という解説つき文献目録の第3版が公刊されました。オンライン版のみでオープン…

ホロコーストと植民地主義をめぐるシンポジウム

研究メモです。 2023年11月23日に社団法人エーリヒ=ツァイガー=ハウスが "Holocaust und Kolonialismus – Deutungskämpfe um das Erinnern(ホロコーストと植民地主義――記憶をめぐる解釈闘争)"という題目でシンポジウムを開催しました。 Holocaust und Ko…

戦間期ドイツにおける労働者階級出身の児童向け社会主義教育組織を振り返る記事――フリードリヒ・エーベルト財団ブログより

ドイツ社会民主党系のフリードリヒ・エーベルト財団ブログで、イルメーラ・ディートリヒスさんによる「子どもの友100年――遊び・楽しみ・社会主義」というタイトルのブログ記事が掲載されました。 Irmela Diedrichs, 100 Jahre Kinderfreunde. Spiel, Spaß un…

ジェンダーと革命――2023年10月19日開催の討論動画より

2023年10月18-20日、ベルリンで "1923. Sattelzeit der Revolution – Umbrüche in Politik, Kultur und radikaler Gesellschaftskritik"(1923年――革命のはざま期 政治・文化・急進的社会批判における諸転換)という会議が開催されました。その企画の一部と…

ミュンヘン一揆(ヒトラー・クーデタ)100年を振り返るnd紙の記事

コメント準備やら学会対応やらで、だいぶ更新に間隔が空いてしまいました。こちらは講義メモです。 日本語では、ミュンヘン一揆あるいはヒトラー一揆と訳される、Hitler Putschは直訳すれば「ヒトラー・クーデタ」となりますね。ドイツ語圏では、ミュンヘン…

アントニオ・ネグリ――ローザ・ルクセンブルク財団のYouTubeチャンネルより

日本でも『〈帝国〉』や『マルティチュード』の翻訳書で知られる、2023年12月15日にアントニオ・ネグリさんが逝去されたとの報道に触れました。大学院生のときに『〈帝国〉』をゼミで発表した記憶があります。 ローザ・ルクセンブルク財団のSNSで、同財団のY…

東ベルリンの環境図書館について

東ベルリンにある環境図書館(Umwelt-Bibliothek)のホームぺージを知りました。 Die Ostberliner Umwelt-Bibliothek この図書館は、1986年に設立されたとのことです。それから12年の間、この図書館は、左派のドイツ民主共和国反対派の待ち合わせ場所、図書…

1945年以降の極右――Archiv für Sozialgeschichteより

社会民主党系のフリードリヒ・エーベルト財団が刊行する年報『社会史アーカイヴ(Archiv für Sozialgeschichte)』の第63巻(2023年)は、「1945年以降の極右」特集です。 リンクを貼っておきます。 Archiv für Sozialgeschichte - Aktuelle Bände 巻頭論文…

L!NXが提供する経済理論入門

これまでもローザ・ルクセンブルク財団系列のデジタル教育プラットフォーム、L!NXが提供するウェブ・コンテンツを紹介してきましたが、2022年11月に公開された「経済理論入門」のページを見つけましたので、リンクを貼っておきます。 Einführung Wirtschafts…

抗議/建築――H-Soz-Kultの近著書評

2023年11月18日に、ドイツ語圏の歴史学総合ポータルサイト、H-Soz-Kultに、抗議活動・社会運動と建築という二つのテーマを重ね合わせた論集についての書評が掲載されました。ちょっと興味がわきましたので、リンクを貼っておきます。 Rezension zu: Protest/…

デジタルドイツ女性アーカイブのオンライン開始5周年について

ドイツ語圏の女性運動史に関するポータルサイト、デジタルドイツ女性アーカイブ(Digitales Deutsches Frauenarchiv)が、2023年9月13日をもってオンライン開始5周年になりました。この団体のSNSで知りました。ポータルサイトには、それを記録したページがあ…

ドイツのレーテ・コミュニズム人物事典(1920-1960年)について

2023年11月7日、ローザ・ルクセンブルク財団のホームぺージに、2023年に出版された、Biografisches Lexikon des deutschen Rätekommunismus 1920-1960(レーテ・コミュニズム人物事典、1920-1960年)についての紹介が掲載されました。 Biografisches Lexiko…

フーアマン『共同決定の歴史のなかの女性』――オープンアクセスの近刊書について

ドイツ労使関係における共同決定の歴史について、女性に焦点を当てた本を知りました。フーゴ・ズィンツハイマー労働・社会法研究所のシリーズの一冊でして、以下にリンクを貼っておきます。オープンアクセスになっています。 Uwe Fuhrmann, Frauen in der Ge…

世界人権宣言75周年を記念したローザ・ルクセンブルク財団特集サイトについて

2024年になってしまいましたが、2023年は世界人権宣言75周年でした。1948年12月10日に国際連合総会で採択された、この宣言について、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトでは、その意義について考える特集が組まれています。リンクはこちらです。 75 J…

1945年以降のドイツにおける極右についての連続講演――ハンブルク現代史研究所より

2023年10月19日より、ハンブルク現代史研究所では、"Mehr als eine Randnotiz. Die extreme Rechte nach 1945(欄外の注より以上の――1945年以降の極右)"という題の連続講演が開催されていることを知りました。主催者による企画趣旨についてのリンクを貼って…

The Palgrave Handbook of Communist Women Activist around the Worldについて

研究ノートです。 2023年1月に、世界における共産主義女性活動家についてのパルグレイヴ版ハンドブックが出版されました。関心をもちまして、出版社へのリンクを貼っておきます。 Francisca de Haan (eds.), The Palgrave Handbook of Communist Women Activ…