浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

東ヨーロッパを(忘れ)学ぶ――現代史オンラインより

 2022年3月15日、ドイツ語圏の現代史研究ウェブサイト、zeitgeschichte | online(現代史オンライン)に、「東ヨーロッパを(忘れ)学ぶ――新しい歴史文化への論告」というタイトルの論説が掲載されました。

 

 

 冒頭部分を紹介します。

 まず、ウクライナでの戦争、そしてどこでも、もっと東ヨーロッパの専門的な知識を、という要求が上がっていると前置きしたうえで、著者は、専門知の不足だけではなく、ドイツの学術体制における東ヨーロッパ研究の特別な役割が問題になっていると指摘します。

 そのうえで、1970年代に東ヨーロッパ史研究は、ヴィリー・ブラントの新東方政策を基に決定づけられたと、ライプツィヒ大学の東欧文化史を専門とするシュテファン・トレープストさんの主張が紹介されます。そして、国家社会主義的なドイツ民主共和国への接近は、ドイツ連邦共和国の東ヨーロッパ史家のその世代全体にとって大きな意義があったといいます。

 続く行論では、東西ドイツの東ヨーロッパ研究交流、帝政期にさかのぼった「帝国の知」としての東欧研究の歴史、さらに東ヨーロッパ史そのものを問い直す方法論的な視角が紹介されています。

 いま抱えている原稿にも役立ちそうです。