浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

『インド日記』――1912・13年ベルリンの女権論者アナ・パップリッツの旅行記について

 19世紀末から20世紀初頭にかけて、ベルリンでの売春禁止運動に積極的に関与した女権論者で文筆家アナ・パップリッツ(Anna Pappritz, 1861-1939)という人がいます。

 1912年11月から1913年2月にかけて、パップリッツはセイロン・インド・カイロに旅行しており、2020年6月、その日記が公刊されました。

 

 

 この日記は行方不明となっていましたが、2019年に発見されたそうです。騎士領主の家系出身で、教養をもった女性のアジア旅行記であり、「レディ・トラベラー」研究の史料となるでしょう。出版社の紹介文では、遠方に旅行する白人女性の「解放」の歴史であると同時に、植民地主義の歴史の一部として位置づけられています。

 アナ・パップリッツについては、デジタル・ドイツ女性アーカイブに掲載された以下の論説をどうぞ。

 

 

【追記 2021年2月13日】

アナ・パップリッツのインド旅行についての日記は、ドイツ連邦文書館に所蔵され、デジタル化されました。

N 1151/341

Anna Pappritz.- Indische Reise.- Tagebuch (Maschinenschriftlicher Durchschlag in 17 Folgen, 122 Seiten)
1911-1913, 1924, o. Dat.

https://invenio.bundesarchiv.de/invenio/direktlink/b47eaf68-b76c-4500-853a-4db58438726d/

 

【追記 2021年3月8日】

「パプリッツ」の方が発音的に近い表記ですが、アルファベットの綴りを意識して「パップリッツ」に改めます。