数年前の記事ですが、2018年11月9日、ドイツ語圏の左派系オンライン紙 nd に掲載されたインタビュー記事を紹介します。1948年11月12日にドイツ連邦共和国で起きたゼネストと「社会的市場経済」の標語の登場を取り上げたものです。
インタビューを受けた人は、ベルリンとライプツィヒで経済史・労働運動史・ジェンダー史に取り組むウーヴェ・フーアマン(Uwe Fuhrmann)さんで、2017年に『「社会的市場経済」の成立(1948/49年)』という本を公刊しました。同書についての書評はいくつも見受けられますが、ひとまずこちらをどうぞ。
このインタビューでは、ルートヴィヒ・エアハルトを「社会的市場経済の父」と称えることが批判されています。むしろ、その成立には、これまでに最後となるゼネストが決定的であったと主張されています。
戦後のドイツ連邦共和国の経済史にとって、「社会的市場経済」というキーワードは欠かせませんが、その歴史的評価が問われています。その「神話」の解体を、労働運動史から目指した研究といえるでしょう。