浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

反戦記念日としての国際女性デー――SoZより

 『社会主義新聞(Sozialistische Zeitung、Soz)』の2022年3月号オンライン版に、国際女性デーを反戦記念日でもあると論じた、女性史家・活動家ギーゼラ・ノッツ(Gisela Notz)氏の寄稿が掲載されました。

 

 

 冒頭部分を紹介します。

 1911年3月13日、クラーラ・ツェトキンが編集した雑誌『平等(Die Gleichheit)』が社会主義女性記念日への呼びかけを掲載しました。それは1910年8月27日、彼女がコペンハーゲンで開催された第2回国際社会主義女性会議で国際女性デーの導入を提案したことを受けたものです。社会民主党労働組合もこの動きに続きました。そして、1848年3月革命を記念して、1911年3月19日に100万人以上の女性が呼応して路上で呼びかけたそうです。さしあたり、決まった日付はなかったものの、1921年にようやく公式に3月8日に定まったとのことです。

 そして、社会主義者の女性たちにとって国際女性デーは、はじめから軍国主義に対する闘争、そして世界平和の維持の象徴だったと指摘されています。著者はいまではほとんど知られていないことと注記しながら、1910年8月26-27日の2日間にわたって開催されたコペンハーゲンでの国際社会主義女性会議は、まさにそのための呼びかけだったといいます。各国が軍拡競争に突き進む情勢のなかで、世界戦争の危機が身近に感じられていました。だからこそ、この会議で、平和と女性参政権を要求する決議が採択されたとのことです。

 

 ギーゼラ・ノッツさんについては、これまでのこのブログで何度か登場しています。関心がある方は、検索窓からどうぞ。