以前にこのブログで、反ファシズム雑誌 Der rechte Rand とホーエンツォレルン家をめぐるドイツ語圏の議論について紹介しました。
Der rechte Rand については、こちら。
ホーエンツォレルン家関連については、いくつかありますが、さしあたりこちらを。
今回は、この二つが重なった事例です。
2022年4月に Der rechte Rand に以下の記事が掲載されました。
「飽くことを知らないホーエンツォレルン家とその右翼の友人たち」という意味です。
最初の段落を要約します。
2019年夏に、連邦政府とベルリンおよびブランデンブルク両州政府が、2014年2月以降、ホーエンツォレルン家の世襲財産管理団体と、数千もの美術品の返還と、例えばポツダムのツェツェーリエンホーフ宮殿などの不動産の利用をめぐる秘密交渉を行っていたことが明るみになり、大きな憤激と驚きを呼びました。なぜ、よりにもよって、最後のドイツ皇帝であり、プロイセン国王であったヴィルヘルム2世の子孫が、総額数十億ユーロにものぼる賠償を受け取るべき、ということになるのか、と問いかけます。なぜなら、1918年11月革命は無数の植民地犯罪と第一次世界大戦で数えきれないほどの死者に責任がある君主制の時代は、1918年11月革命が終わらせたはずだからです。
このように問いかけて、この論説では、返還交渉の歴史が、ヴァイマル期・ナチ期にまで立ち返って説明されています。そのうえで、近年の右翼の動向と関連づけて論じられています。
以前にこのブログで、関連するテーマについて紹介しました。関心のある方はどうぞ。