浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ナチ期の駐在武官についてのヴァーチャル展示――ドイツ連邦文書館より

 ドイツ連邦文書館のウェブサイトに、ナチ期の駐在武官(Militärattachés)についてのヴァーチャル展示が公開されていることを知りました。リンクはこちらです。

 

 

 全部で11点の写真および文書が掲載されているほか、解説とドイツ連邦文書館に所蔵されている関連史料へのリンクが貼られています。

 

 背景説明を要約します。

 第一次世界大戦以降、1933年にはじめて駐在武官が国外のドイツ外交代表機関にふたたび派遣された。その課題は、第一に軍指揮のための情報収集であり、同時に国外のドイツ軍の代表でもあった。1933年2月13日付の駐在武官に向けた服務規定は、「受け入れ国の防衛力についての明確な像と判断を下すこと・・・この目的のために、駐在武官は当該部局と信頼を得る交流ならびに同僚らしく社交的な交際を育み、軍隊演習に頻繁に参加し、軍事施設を訪問し、専門的な文献と新聞雑誌を注視しなければならない。自らの観察について、駐在武官は義務にのっとった判断にしたがい報告しなければならない。」

 残念ながら、駐在武官の文書類は非常に不完全な形でしか維持されておらず、それは連邦軍事文書館の分類番号 RH 67 に整理されている。これについて、2003年末にオンライン検索が可能になり、その前書きには、1933-1945年の駐在武官業務の歴史、課題、史料状況、文献案内について詳細な記述がある。