ドイツ連邦文書館ウェブサイトに、ヴァーチャル展示「国民議会の女性たち――最初の女性議員」が掲載されています。
「ヴァイマル共和国100年」の企画の一つという位置づけです。15点の図像資料が付いています。
この展示企画の背景説明を一部要約します。
1919年1月19日に行われた国民議会選挙で、423名の議員が選出され、そのうち女性議員は37名で、のちに4名の女性が後任を務めました。
投票率は全体で83%で、有権者女性の場合、それは約90%までに達しました。しかし、選出された議員の女性の割合は、8.7%に過ぎませんでした。さらに、その割合はその後低下していったと説明されています。
また、その選挙の結果の特徴として、①最も多くの女性議員がドイツ社会民主党に所属していたこと、②比率のうえでは、独立社会民主党が最大であったこと、③選挙では女性は保守的な投票行動をとり、中央党とドイツ国家人民党が最大の利益者であったこと、が指摘されています。
ナチ党による政権奪取の1933年以降、これらの女性たちの多くが抑圧され、政治活動から追いやられました。例として、ドイツ社会民主党の女性議員トーニ・プフュルフ(Toni Pfülf)が紹介されています。彼女は、1933年3月に全権委任法に反対した94人の議員の一人であり、ナチズムに抵抗し、1933年6月に自害したとのことです。
参考資料として、AddF(Archiv, Bibliothek und Forschungszentrum zur Geschichte der deutschen Frauenbewegung、ドイツ女性運動史文書館・図書館・研究センター)のウェブサイトに掲載された以下のページへのリンクが貼られています。
そのほか、以下の史料展示へのリンクが貼られています。
- 女性議員による最初のドイツ議会演説(1919年2月19日)
- ドイツ連邦文書館所蔵史料「女性団体および女性運動」(R 43-I Reichskanzlei)
- LeMO(Lebendiges Museum Online)「女性の参政権導入」