浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツのペンクラブについて――ドイツ連邦文書館のヴァーチャル展示より

 ドイツ連邦文書館のSNSで、「ドイツ・ペンクラブ――ディナー・クラブから世界規模に活動する組織へ」というタイトルのヴァーチャル展示が紹介されました。

 

 

 冒頭では、現在のドイツのペンクラブ・センターは、その文芸批評的なテーマを超えて発言していると指摘されます。その例として、表現の自由を脅かすような新しい法律、逮捕・拘留され支援を必要とする作家、権力奪取・軍事クーデタのような政治的出来事が挙げられており、それらがペンクラブの集会の新しい議論のテーマになっているとのことです。

 このような態度について、すでに1971年4月16日にニュルンベルクで開催された大会での新聞記事は、「ティー・タイム時代の終焉」と指摘していたそうです。

 1925年にドイツ・ペンクラブは創設され、まもなく100周年を迎えますが、このヴァーチャル展示は、その歴史を振り返るものです。戦間期、ナチ期、冷戦による東西分断の時期と、ドイツの激動の時代を思い浮かべれば、興味深いテーマですね。