浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツにおける難民政策についての歴史的位置について――Geschichte der Gegenwartより

 2023年5月24日、ドイツ語圏の現代史をテーマとしたウェブサイト、Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に、「『難民妥協』――現在の調停の試みの歴史的位置づけ」というタイトルの論説が掲載されました。

 

 

 著者のツェッペンフェルトさんは、ボーフム・ルール大学歴史研究所の助教で、移民史、余暇・日常史、移民史をテーマにしています。西ベルリンにおけるトルコ系移民の労働世界をテーマとした彼の著書 Vom Gast zum Gastwirt? への出版社リンクも貼っておきます。

 

 

 上記の記事の冒頭では、ヨーロッパ難民政策をめぐる議論が再び活況を呈していること、そしてその際に政治家たちがいかに「妥協」という言葉を使っているかを示しています。

 そして、現在、1993年5月26日のいわゆる「難民妥協」から30年を経ていることを指摘し、「難民妥協2.0」の数多くの類比が語られていると言います。そのうえで、難民問題における「妥協」が本来何を意味しており、誰のための「妥協」なのか、と問いています。