浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ミュンヘン一揆(ヒトラー・クーデタ)100年を振り返るnd紙の記事

 コメント準備やら学会対応やらで、だいぶ更新に間隔が空いてしまいました。こちらは講義メモです。

 

 日本語では、ミュンヘン一揆あるいはヒトラー一揆と訳される、Hitler Putschは直訳すれば「ヒトラー・クーデタ」となりますね。ドイツ語圏では、ミュンヘンをつけると、Hitlerputsch von München といった表記が見られます。

 

 ともあれ、昨年、つまり2023年11月3日、ドイツ語圏の左派系ジャーナル、nd紙に、この出来事から100年目ということで「ヒトラー・クーデタ1923年――発煙弾と神話」と題した記事が掲載されました。以下にリンクを貼っておきます。

 

 

 リード文では、「ヒトラー・クーデタは決してヒトラーのクーデタではなかった。100年前に多様な保守的傾向をもつ民主主義および共和国の敵が一つになった。」と説明されています。写真つきで経緯が詳述されています。

 

 日本語での「ミュンヘン一揆」というタイトルですと、ヒトラーそのものが明示されていませんが、その一方で「ヒトラー・クーデタ」ですと、上記の記事の問題提起、つまり「ヒトラーのクーデタ」ではなく、ヴァイマル共和国に敵対する様々な保守勢力が関与したことが見えにくいという問いがあまり意味をなさなくなりますね。

 読了目安は9分とのことです。