浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツ連邦文書館オンライン展示「ポリオワクチンをめぐる冷戦――政治と科学の間の小児まひ」について

 ベルリン=リヒターフェルデに所在するドイツ連邦文書館をよく利用しています。ロッカー室から閲覧室までの通路に、たいてい史料展示があり、疲れたときに見ています。じっくり見たいし、また解説もあまりついていなくてよくわからないことが多いです。

 これとどう関係しているのかは分かりませんが、ドイツ連邦文書館のウェブサイトには、「バーチャル展示(Virtuelle Ausstellungen)」のページがあることを知りました(トップページ→"Entdecken"からリンク先に辿れます)。とても充実しています。そのうちの一つがこれです。

 第二次世界大戦後、ポリオ感染が東西ドイツに広まりました。1952年に西ドイツでは1万人の感染者、778人の死者を記録したとのことです。さらに、とくにノルトライン=ヴェストファーレン州に広まり、1960年から1961年の間に4000人以上の感染報告があり、およそ300人が亡くなったと記されています。

 その一方で、東ドイツでは1960年以降、感染の抑え込みに成功したのですが、東西で使用されたワクチンに違いがあったことが指摘されています。そのワクチンの違いの背景に東西冷戦の政治力学を読み解く展示です。詳細はオンライン展示をどうぞ。*1

*1:2020年5月18日Twitter「あさだしんじ」でツイートした内容を改めたものです。