浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツ記憶文化とナチ遺産――ベルリナー・ツァイトゥング紙より

 2022年7月6日、ベルリンの日刊紙、ベルリナー・ツァイトゥング紙より、「シュトシェク、クヴァント、フリック――どのようにドイツの財閥がナチ責任の容疑から逃れているか」という論説が掲載されました。

 

 

 リード文では、「ドイツの記憶文化はどこでも賞賛されている。しかし、ナチ遺産の多くは今日もその一族の過去を隠しているか、あるいは美化している」と述べています。

 そして、ドイツ経済の中核をなす自動車産業を事例に、ドイツの富豪とナチズムの過去の関連性について説明されています。

 ヒトラーフォルクスワーゲンを生産するように説得したフェルディナント・ポルシェとSS将校であったその息子フェリー・ポルシェ、BMWのヘルベルト・クヴァントとその父ギュンターは戦争犯罪に関与し、ダイムラー・ベンツのフリードリヒ・フリックはニュルンベルク裁判で有罪判決を受けました。この記事では、これらの過去はドイツではもはや秘密ではないけれども、しかし無視されてしまうと指摘されています。

 クヴァント、ポルシェ、フリックと順に述べた後に、最後に最近批判されている美術コレクターのユリア・シュトシェクについて触れています。

 

 この記事はもともと2022年4月19日に New York Times 紙に掲載されたものとのことです。リンクを貼っておきます。