浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

いかに戦後西ドイツの歴史学界が米国亡命歴史家のホロコースト研究に抵抗したか――『南ドイツ新聞』より

 2023年6月25日に『南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeiung)』のオンライン版に、「部外者の正確なまなざし(Der präzise Blick der Außenseiter)」というタイトルの記事が掲載されました。

 

 

 こちらは、イエナ大学の現代史講座助教のアナ・コルステンが自身の博士論文を基に、今年出版した研究書の書評です。出版社のリンクはこちらです。

 

 

 上記の書評のリード文では、1945年以降の西ドイツ歴史家たちがいかにして米国発の亡命歴史家たちによるホロコースト研究に対してあらゆる手段を講じて抗おうとしたか、と問いかけています。

 戦後西ドイツの歴史研究者とナチズムの連続性については、すでに日本でも色々と紹介されてきましたが、そのテーマをとくに亡命歴史家たちへの攻撃という側面に焦点をあてた研究という言えるでしょうか。史学史は、歴史家の行動と自身の社会実践の側面と切り結ぶべきと考えていまして、その点で興味深い研究です。

 

【2023年9月3日追記】

 上記で紹介した研究書は、オープンアクセスになっています。以前にこのブログで紹介していたことを忘れていました。再掲します。