浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

新しい下からの歴史のために――L.I.S.A.より

 以前に、このブログで、ゲルダ・ヘンケル財団L.I.S.A.学術ポータルで掲載された「ユートピア――歴史学の未来」というテーマを掲げて、若手歴史家の投稿を呼びかける試みを紹介しました。

 そこに「新しい下からの歴史のために」というタイトルの投稿を見かけたので、リンクを貼っておきます。

 

 

 コリンナ・ビットナーさんとルーカス・ドイルさんの連名による投稿です。ビットナーさんは、ケルン大学の博士課程の学生で、パブリック・ヒストリーを学んでおり、分断ドイツにおけるエムスラント強制収容所生存者の集合的記憶について調査しています。ドイルさんも博士課程で、ポツダム現代史研究ライプニッツ・センターで、請負労働の歴史について研究しており、また労働組合員として、研究者の厳しい労働環境の問題に関心をもっているとのことです。

 

 この投稿は、基礎民主主義的(basisdemokratisch)・多元的・解放的な歴史文化のユートピアを想像する目的をもって、新しい「下からの歴史」を議論するものです。1970・80年代の歴史運動を歴史化することから議論が始まっています。

 ドイツの新しい世代による「下からの歴史」を再論する試みであり、とても興味深いです。

 

 ちなみに、L.I.S.A.学術ポータルでの「ユートピア」についてのこのブログでの紹介は、こちらになります。関心のある方はご覧ください。