浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

metoohistory――第54回ドイツ歴史家大会における特別部会案内

 2023年9月19日-22日まで、ライプツィヒにて第54回ドイツ歴史家大会が開催されましたが、その2日目、9月20日11時30分-13時の間で、「ミー・トゥー・ヒストリー――ドイツ学術体制における権力濫用についての討論会」が開催されました。その趣旨説明へのリンクを貼っておきます。

 

 

 SNSで#metoohistoryという活動がドイツ歴史学界で始まっていまして、そちらをフォローすると、きっかけと経緯が分かると思います。

 

 また、関連して、ドイツ学界における有期雇用を止めようという、ドイツ連邦教育研究大臣およびドイツ連邦議会教育・研究委員会およびドイツ連邦議会議員宛の署名運動が行われています。

 

 

 呼びかけ文では、たとえば気候危機あるいはデジタル化に対処するためには、強力な学問が求められていると指摘します。そして、そのためには、公正な労働条件のみがそれを可能にするにもかかわらず、大学・公的研究機関に勤める多くの研究者は、厳しい環境で働いていると述べます。

 大学に雇用されている者の10人のうち9人が有期雇用であり、労働契約の42%が1年未満の雇用期間と定められているということです。これでは、人生設計あるいは野心的なプロジェクトを計画することはできないわけで、変えなければならないと訴えています。

 そして、現在の学術有期契約法の改革案は、政府が約束したものからはるかに後退した内容だと批判しています。