浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

マイ・アイムの「下からのコスモポリタニズム」――History Workshopより

 先日、第40回日本ドイツ学会大会シンポジウムで報告してきました。「植民地主義ホロコースト、想起の文化――いま『負の歴史』にいかに向き合うか」というものです。

 そこで、マイ・アイム(May Ayim)について触れましたが、報告を準備している過程で、History Workshopのウェブサイトに掲載された、ティファニー・N・フローヴィルさんの論説「ヨーロッパにおけるマイ・アイムの下からのコスモポリタニズム」を知りました。

 

 

 こちらは、Global Feminismsという欄に掲載されたものです。

 

 

 著者のフローヴィルさんは、2023年にドイツ語版も出版された、以下の本の著者です。

 

 

 この論説は、マイ・アイムの実践を、「下からのコスモポリタニズム」、あるいはポール・ギルロイが 「通俗的あるいは庶民的(vulger or demotic)」コスモポリタニズムの例として紹介するものです。

 とくに、Pan European Women's Network for Intercultural Action and Exchange、別名AKWAABAでの彼女の活動の意義について論じています。AKWAABA(アクワーバ、ガーナで「ようこそ」の意味)は、1990年にフランスのシャンティイで設立された団体で、「ヨーロッパを拠点にもつ芸術活動を行なうアフリカ系女性による非公式ネットワーク」だったとのことです。