浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツ連邦文書館画像データバンクのなかのハイパーインフレとズデーテンラント進駐

ドイツ連邦文書館のSNSに、ときおりドイツ近現代史に関わる同館所蔵の画像資料へのリンクが配信されています。 1923年のハイパーインフレと1938年のミュンヒェン協定およびズデーテンラント進駐について、同館の画像データバンクで検索ヒットした一覧へのリ…

10分で学ぶ新自由主義下のチリ――L!NXの「右翼に対する労働闘争」シリーズ

このブログで、なんどかローザ・ルクセンブルク財団による「新しいデジタル教育プラットフォーム」を謳う、L!NXというウェブサイトを紹介してきました。*1 今回は、「右翼に抗する労働闘争」というシリーズに掲載されたチリに関する記事へのリンクを貼ってお…

ドイツのオーラル・ヒストリー・デジタルについて

オーラル・ヒストリー・デジタルというドイツ語のウェブサイトを知りました。リンクを貼っておきます。 Projekt • Oral-History.Digital 教育・メディア関係の研究・関心をもつ人たちに向けに、インタビュー資料を横断的に検索できるウェブサイトということ…

ドイツ民主共和国期の労働現場における性差別について――ドイツ連邦政治教育センターより

2023年10月4日、Deutschland Archiv (ドイツ・アーカイブ)オンライン版に、ドイツ民主共和国の工業経営における性差別の問題を取り上げた論説が掲載されました。 Henrike Voigtländer, Sexismus unter gleichberechtigten Werktätigen: Geschlecht und Her…

Workers of the Worldについて

Workers of the World: International Journal on Strikes and Social Conflict というオンライン学術誌を知りました。 Workers of the World: Journal on Strikes and Social Conflict この雑誌は、2012年6月に第1号が刊行されています。そして、学際的、グ…

Moving Workers――オープンアクセスの論文集

今年10月に出版された以下の論文集がオープンアクセスでダウンロードできます。 Clauda Bernardi, Viola Franziska Müller, Biljana Stojić, and Vilhelm Vilhelmsson (eds.), Moving Workers: Historical Perspectives on Labour, Coercion and Im/Mobiliti…

2023年ドイツ歴史家大会セッション「民主主義が労働をつくる――労働が民主主義をつくるか」報告について

9月19日から22日まで開催された今年のドイツ歴史家大会の一セッション "Demokratie macht Arbeit – macht Arbeit Demokratie?" が、10月7日にドイツ語圏の歴史学系総合ポータルサイト H-Soz-Kultに掲載されました。 Irmela Diedrichs, Tagungsbericht: HT 20…

革命的シンボルとしての赤旗の起源――ヘレ・パンケによるYouTube講演会

2023年6月15日、ベルリンの左派団体ヘレ・パンケ(Helle Panke)のYouTubeチャンネルで、「革命的シンボルとしての赤旗の起源」という題目の講演が放送されました。リンクを貼っておきます。 Die Ursprünge der roten Fahne als revolutionäres Symbol. Vort…

ドイツ労働運動の歌の本について

カイ・デーゲンハルトさんの近著で、ドイツの労働者と労働闘争の歌から労働運動を振り返る『明日は誰の明日か』という本について知りました。出版社のウェブサイトのリンクを貼っておきます。 Kai Degenhardt, Wessen Morgen ist der Morgen, Köln: PapyRoss…

50年前のドイツ労働総同盟の不一致決議について――フリードリヒ・エーベルト財団ブログより

2023年9月29日に、フリードリヒ・エーベルト財団のブログで、「寛容の限界――ドイツ労働総同盟の不一致決議50年」という記事が掲載されました。 Marcel Bois/ Alexandra Jaeger, Die Grenzen der Toleranz: 50 Jahre Unvereinbarkeitsbeschlüsse des DGB, in:…

Googleからの閲覧回数が多かった記事(2023年9月末・10月末時点)

11月になりました。9月末から10月にかけて体調不良やら学会大会開催やらで色々と慌ただしく、こちらの記録を記録を書いていませんでした。 今回は、10月末時点でのGoogleからの閲覧回数の多かった記事を紹介します。 ナチ・ドイツ「全国収穫感謝祭」の過去を…

移民概念についての用語目録――Inventar der Migrationsbegriffe

学際的研究グループを謳う「移民にかんする知の学術的生産」のプロジェクト「移民概念の用語目録」というドイツ語のウェブサイトを知りました。 Inventar der Migrationsbegriffe このプロジェクトは、移民をめぐる現在と歴史にかかわる議論の中心的な概念に…

性科学研究所についてのヴァーチャル展示――ドイツ連邦文書館より

このブログで、以前にマグヌス・ヒルシュフェルトが設立した性科学研究所について扱った新聞記事を紹介したことがあります。 「1919年にベルリンに設立された性科学研究所について――Der Tagesspiegel紙の記事より」浅田進史研究室/歴史学ブログ、2021年2月1…

Radical Online Collections and Archivesのサイトについて

以前にこのブログで、ラディカル・オンライン・コレクション&アーカイヴズという急進左派のオンライン史料リンク集を紹介したことがあります。 「Radical Online Collections and Archivs について――New Historical Expressより」浅田進史研究室/歴史学ブ…

ハンペル夫妻と「普通の」人びとのナチ体制への抵抗――ドイツ連邦文書館バーチャル展示より

今回は、ドイツ連邦文書館ホームページに掲載されている「ハンペル夫妻とナチ体制に対する『普通の』人びとの抵抗」というタイトルのヴァーチャル展示を紹介します。 Otto und Elise Hampel und der Widerstand "einfacher" Leute gegen das NS-Regime, in: …

ハンブルク、1923年――ハンブルク歴史博物館展示について

ハンブルク歴史博物館(Museum für Hamburgische Geschichte)では、1923年に焦点を当てたハンブルクの歴史についての一連の展示シリーズが開催されています。 2023年9月20日から2024年1月7日までは、「脅かされた都市(Die Bedrohte Stadt)」というタイト…

ドイツの博士課程向け奨学金引上げを求める公開書簡について

2023年9月13日、ドイツの日刊紙『ターゲスシュピーゲル』オンライン版で、ドイツの博士課程の学生が「奨学金引上げネットワーク」を設立し、教育研究大臣宛に公開書簡をオンライン上で発表することで、よりよい労働条件を求めている、という記事を知りました…

オーストリア左翼の概説書について――sehepunkteより

ドイツ語圏の歴史学系書評ウェブサイト sehepunkte(視点・観点の意)の第23巻第9号(2023年)に、オーストリア左翼の歴史についての概説書の書評が掲載されました。 Robert Foltin: Die Linke in Österreich, in: Sehepunkte, 23: 9 (2023), rezensiert von…

WerkstattGeschichte(歴史ワークショップ)の第88号「お金について語る」

ドイツの日常史研究のジャーナルといえば、WerkstattGeschichteですが、その2023年9月に公刊された第88号の特集は、"reden über geld"(お金について語る)です。リンクを貼っておきます。 reden über geld, in: WerkstattGeschichte, 88 (September 2023). …

労働運動史関係文書館・図書館支援サークルの会報第64号について

以前にこのブログで、労働運動史に関する文書館・図書館をサポートする協会 Förderkreis Archive und Bibliotheken zur Geschichte der Arbeiterbewegung e.V. (労働運動史関係文書館・図書館支援サークル)を紹介しました。 「労働運動史関係文書館・図書…

DeKolについて――ドイツ・ニーダーザクセン州における脱植民地的ネットワーク

DeKolというホームぺージを知りました。 DeKol 「脱植民地的ネットワーク・ノルトヴェスト(Dekoloniales Netzwerk Nordwest)」を名乗っていまして、ドイツのニーダーザクセン州、とくに農村地域におけるBIPoC(Black, Indigenous and People of Color 黒人…

プレッツェンゼーの「血の夜」について

ベルリンにあるプレッツェンゼー記念館のホームぺージに掲載された、「プレッツェンゼーの血の夜」という記事を知りました。 Die Blutnächte von Pöltzensee プレッツェンゼー記念館は、ナチ・ドイツの時代には処刑場でした。上のリンクを貼ったページの「血…

経営トップに占める女性の割合についての東西ドイツ比較――ターゲスシャウより

2023年7月25日、北ドイツ放送が制作し、第1ドイツテレビジョン(Der Erste)で放映されるターゲスシャウ(tagesschau)のホームぺージに、「西ドイツよりも東ドイツに多い女性上司」という番組の内容を説明する記事を知りました。 Warum gibt es im Osten me…

キッチン・ポリティクス――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトの書評より

「キッチン・ポリティクス――クィア・フェミニスト的介入」というシリーズ本がドイツ語で刊行されていることを知りました。2023年に刊行された『台所の新秩序』でもう5冊目とのことです。 この本について、ギーゼラ・ノッツさんがローザ・ルクセンブルク財団…

メルン、1992年――現在の歴史より

体調を崩してしばらく寝込んでいました。ようやく少しずつ日常に戻りつつあります。このブログも無理しすぎずに更新していきたいと思います。 だいぶ前の記事ですが、2022年11月23日に、Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に、「メルン、1992年――暴力と…

metoohistory――第54回ドイツ歴史家大会における特別部会案内

2023年9月19日-22日まで、ライプツィヒにて第54回ドイツ歴史家大会が開催されましたが、その2日目、9月20日11時30分-13時の間で、「ミー・トゥー・ヒストリー――ドイツ学術体制における権力濫用についての討論会」が開催されました。その趣旨説明へのリンク…

新しい下からの歴史のために――L.I.S.A.より

以前に、このブログで、ゲルダ・ヘンケル財団L.I.S.A.学術ポータルで掲載された「ユートピア――歴史学の未来」というテーマを掲げて、若手歴史家の投稿を呼びかける試みを紹介しました。 そこに「新しい下からの歴史のために」というタイトルの投稿を見かけた…

ナチズムに関連する「記憶の場」への攻撃に対抗する連帯の呼びかけ――ザクセン州より

2023年8月22日、ザクセン州のナチズムを対象とする機関、Sächsische Landesarbeitsgemeinschaft Auseinandersetzung mit dem Nationalsozialismus(sLAG、「ザクセン州作業共同体・ナチズムへの取り組み」)が、ナチズムに関わる記念施設への攻撃に対して、…

実践のなかの革命的サンディカリズム――ドイツ自由労働者同盟についての近刊書

2023年1月に、『実践のなかの革命的サンディカリズム――ドイツ自由労働者同盟の経営評議会活動、1918-1933年(Revolutionärer Syndikalismus in der Praxis)』というタイトルのドイツ語の研究書が出版されました。出版社の紹介サイトはこちらです。 Jule Eh…

オスナブリュック博物館地区の多様な都市史の展示について

ドイツのニーダーザクセン州の都市オスナブリュックの「博物館地区( Museumquartier)」というウェブサイトを知りました。そこに、多様な視点から、オスナブリュックの移民・難民・差別の歴史へ様々なまなざしを向ける展示についての解説ページがあり、関連…