浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

Evangelische Frauenhilfe史料公開プロジェクト――ドイツ女性運動文書館より

 デジタル・ドイツ女性アーカイブ(Digitales Deutsches Frauenarchiv)は、さまざまなプロジェクト助成事業を行っています。その取り組みの一つ、カッセルにあるドイツ女性運動文書館が所蔵する"Evangelische Frauenhilfe"の史料公開事業が2020年に始まったとのことです。*1

 

 それに関連して、2020年5月4日、デジタル・ドイツ女性アーカイブのウェブサイトに以下の論説が掲載されました。

 

 

 「福音主義女性慈善協会(Evangelische Frauenhilfe)」は、1899年に皇后アウグステ・ヴィクトリアの庇護のもとに、「福音主義教会慈善協会(Evangerlisch-Kirhclichen Hülfsverein)」の女性支部として設立されたものです。19世紀・20世紀を通じて、宗派別の女性組織のなかで最多の会員数を誇った団体の一つだったそうです。

 この論説では、タイトルにあるとおり、この団体が保守的な立場から戦後に進歩的なそれへと転換していった過程が説明されています。

 この助成事業では、1850年から1960年の時期に焦点をあてた写真史料の公開と、雑誌Neue Bahnenおよびガブリエレ・シュトレッカー(Gabriele Strecker)の遺稿をデジタル化する予定とのことです。彼女は最初の女性運動のアクターについて論説を書いているとのことで、とても興味深いです。

 ちなみにカッセルのドイツ女性運動文書館のウェブサイトは以下になります。

 

 

  同文書館の所蔵史料リストはこちらからどうぞ。上のリンク先のトップページから"Sammlungen"、そして"Archiv"へ進んでください。

 

【2021年3月6日追記】

 「ドイツ女性運動史文書館」と記載している個所を「ドイツ女性運動文書館」と修正しました。

 

【2021年8月25日追記】

 2021年7月30日、同史料についての追加の解説記事がデジタルドイツ女性アーカイブのホームページに掲載されました。1977年に南アフリカの人種隔離政策に抗議する不買運動について触れられています。

 

 

【2021年11月10日追記】

 このプロジェクト助成事業の作業報告が公開されました。リンク先はこちら。

 

 

*1:2020年6月4日Twitter「あさだしんじ」よりツイートした内容を改めたものです。