浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

IALHI(労働史研究機関国際協会)創設50周年に寄せて

 労働史研究機関国際協会(The International Association of Labour History Institutions)、略称 IALHI は、2020年に創立50周年を迎えました。この協会は労働運動・社会運動の歴史・理論を専門にした文書館、図書館、資料センター、博物館、研究機関が集まる国際組織です。関係する史資料の保存・公開・利用の促進を目的としています。ホームページへのリンクはこちらになります。

 

 

 創立50年を機に、この協会の歴史を振り返った論説が、フリードリヒ・エーベルト財団発行のブックレットとしてウェブ公開されました。リンク先はこちらになります。

 

 

 創設の経緯、加盟機関、組織体制、活動・プロジェクト、展望、年次大会リスト、事務局リスト、報告書目録などがまとめられています。

 1970年12月7日にロンドンで開催された会合で同協会の設立が決定されました。その会合を組織したのは、イギリス労働党の図書館員主任であった アイリーン・ワーグナー(Irene Wagner、ドイツ語ではイレーネ・ヴァーグナー)氏です。第一次世界大戦中にドレスデンで生まれ、若くしてチェコスロヴァキア旅行で反ナチ文献を密輸する活動を行っていた活動家でした。1937年に彼女と両親はドイツを逃れ、ロンドンに移住したとのことです(同ブックレット、5頁、顔写真が6頁に掲載されています)。

 

 この協会のウェブサイトには、Social History Portal というページがあります。そのななかの Social History Collections には、18世紀末から21世紀に至るまで、90万件のデジタル化された史資料を含む250万件以上の記録へのアクセスが可能と説明されています。

 

 

 以前にこのブログでその一部を紹介しました。

 

 

 日本からは法政大学大原社会問題研究所がIALHIに加盟しています。以下のページに説明があります。