浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ラーフェンスブリュック強制収容所とレズビアン女性について――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

 2022年1月24日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、「ラーフェンスブリュック強制収容所におけるレズビアン女性」というタイトルのインザ・エッシェバッハさんによる講演録画が公開されました。

 

 

 紹介文を要約します。

 ナチ・ドイツの女性用として設置されたラーフェンスブリュック強制収容所におけるレズビアンの収容者の地位については、長い間、論争となってきた。当時のドイツ帝国刑法175条は男性の同性愛者の刑事訴追を規定していたが、女性を対象とするものではなかったことが知られている。しかし、「訴追」は「刑法上の訴追」のみを意味するのか。レズビアンアイデンティティは難しい立場にあり、そのために広範にわたってこの語りえず、不可視化されながらも存在していた集団はほとんど知られていない。この講演では、何人かのレズビアン収容者の生涯を概観しながら、ナチの調書における同性愛嫌悪の言説とラーフェンスブリュックを記憶した報告を論じる。とくに、レズビアン収容者に捧げられ、論議となった追悼の象徴、「ゲデンククーゲル(Gedenkkugel、追悼の玉の意)」の歴史が問題となる。それは長い議論の後に、2022年にラーフェンスブリュック追悼施設に設置することができたものである。