浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

フンボルト・フォーラムとベニン・ブロンズ返還問題

 2021年3月22日、『南ドイツ新聞』(Süddeutsche Zeitung)オンライン版に、フンボルト・フォーラムがベルリン民族学博物館からベニン・ブロンズとして知られる銅像レリーフの返還について、9月までに決定されるという記事が掲載されました。

 

 

 フンボルト・フォーラムは昨年オープンしたものの、新型コロナ感染症対策のため、現在閉館中です。

 

 

 1897年にイギリス軍によって現在のナイジェリアに位置するベニンが占領され、文化財が略奪されました。そして、ロンドンからヨーロッパ各地の博物館に売却されました。上記の記事では、ドイツにある25の博物館がベニン・ブロンズを所有しており、そのうちベルリン民族学博物館が440点を数え、最多であるとのことです。

 そして、フンボルト・フォーラムが盗まれたベニン・ブロンズを所有したままで開館できないことはずっと以前から明らかだった、と主張されています。

 

 ベニン・ブロンズについては、以前にこのブログでも関連するBBCの記事を紹介しています。関心のある方はどうぞ。

 

 

【2021年5月13日追記】

 3月24日、スコットランドアバディーン大学はベニン・ブロンズのオバ(王)頭部像をナイジェリアに返還する声明を発表しました。翌日の大学YouTubeチャンネル動画はこちら。

 

 

 東京外国語大学現代アフリカ地域研究センターのウェブサイト内「今日のアフリカ」に、ブラック・ライヴズ・マター運動と関連づけた解説記事が掲載されています。

 

 

【2021年5月30日追記】

 2021年4月11日、ドイツの公共放送ダス・エルステ(Das Erste、第1テレビジョン)のウェブサイトにベニン・ブロンズ返還問題に関する報道録画と記事が掲載されました。「長い帰路――ベニン・ブロンズをめぐる争いの最終章か」というタイトルです。ユルゲン・ツィンメラー氏など専門家のインタビューもあります。