浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツ史|戦後史・冷戦史・現代史

社会的市場経済の形成についての神話と事実――L!NXより

2023年4月、「デジタル教育プラットフォーム」を掲げる、ドイツ語圏の左派系ウェブサイト L!NX に、「社会的市場経済の形成についての神話と事実」という項目が掲載されました。 Mythen und Fakten zur Sozialen Marktwirtschaft, in: L!NX, April 2023. リ…

ヴォルフガング・アーベントロートについてのウェブサイト

ドイツ連邦共和国の成立初期を代表する政治的知識人の一人として、法学・政治学・歴史学を専門としたヴォルフガング・アーベントロート(Wolfgang Abendroth、1906-1985年)を紹介するウェブ空間上のプロジェクトを知りました。私はこれまでほとんど知らない…

ドイツ民主共和国の国家芸術貿易に関わる史料紹介――ドイツ連邦文書館より

ずいぶん以前、つまり2018年6月1日に、ドイツ連邦文書館による、ドイツ民主共和国の「国家芸術貿易(Staatlicher Kunsthandel)」についての史料がオンライン検索できるというプレスリリースが出ていたことを知りました。 Akten des Staatlichen Kunsthandel…

ベルタ・タールハイマーについて――Frauen & Geschichte Baden-Württembergより

以前にこのブログで、Frauen & Geschichte Baden-Württemberg e.V. (女性と歴史・バーデン=ヴュルテンベルク 社団法人)のウェブサイトを紹介しました。 「『女性と歴史・バーデン=ヴュルテンベルク』ウェブサイトについて」浅田進史研究室/歴史学ブログ…

『わたしたちのドイツ・メルヘン』について――3satより

2023年4月19日、3satというドイツ公共放送のウェブサイトで、2023年ライプツィヒ見本市で受賞したディンツァー・ギュンツェーターさんの小説『わたしたちのドイツ・メルヘン』(2022年)を紹介する番組が放送されました。 Literaturgespräch: "Unser Deutsch…

カール・コルシュ(1886-1961年)について

2023年4月19日、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、ブックミラー編『マルクス主義の刷新――カール・コルシュ(1886-1961年)』という本の紹介が掲載されました。 Sebastian Klauke, Buckmiller (Hrsg.): Die Erneuerung des Marxismus. Karl Korsch…

赤い足跡――女性労働者(と男性労働者)の歴史に力点をおいたドイツ語ウェブサイト

"Rote Spuren: Interessiert an der Geschichte der Arbeiterinnen und Arbeiter(赤い足跡――女性労働者および男性労働者の歴史に関心を払う)"というウェブサイトにたどり着きました。 Rote Spuren: Interessiert an der Geschichte der Arbeiterinnen und …

ポール・ロブソンについての評論――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2023年4月9日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、「ポール・ロブソン――左翼の悲劇的英雄」というタイトルの論説が掲載されました。 Mario Kesseler, Paul Robeson: The Left's Tragic Hero, in Rosa-Luxemburg-Stiftung, April 9, 2023. リード…

ドイツ歴史博物館展示「約束としての進歩――分断ドイツにおける産業写真」について――ヴィジュアル・ヒストリーより

専門テーマであるドイツ植民地主義関連の論考でも、図像史的アプローチを採る研究を目にしたことがありますが、「ヴィジュアル・ヒストリー」というドイツ語圏のウェブサイトを知りました。 Visual History | Visual-History Online-Nachschlagewerk für die…

スターリン主義の歴史的検証の現況についての討論会YouTube動画――ローザ・ルクセンブルク財団

ベルリンの左派系の団体ヘレ・パンケ=ローザ・ルクセンブルク財団("Helle Panke"e.V.-Rosa-Luxemburg-Stiftung)のウェブサイトに、2023年4月17日に開催された討論会「今日の共産主義研究――スターリン主義検証の現状について(Kommunismusforschung heute.…

フランクフルト社会研究所創設100周年に寄せたフランクフルト学派を振り返る記事

2023年3月30日、ドイツの左派系ジャーナル『ジャコバン』(Jacobin)誌に「階級闘争から文明批判へ(Vom Klassenkampf zur Zivilisationskritik)」という記事が掲載されました。こちらは、フランクフルト・アム・マインにあるフランクフルト社会研究所(Ins…

ドイツにおける移民の自己組織化について――デジタルドイツ女性アーカイブより

2023年3月30日、デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトに、「移民の自己組織の伝統路線」というタイトルの記事が掲載されました。 Traditionslinien migrantischer Selbstorganisation, in: Digitales Deutsches Frauenarchiv, 30. März 2023. リード…

ドイツ民主共和国の女性――ドイツ連邦文書館のヴァーチャル展示より

これまでこのブログでドイツ連邦文書館ウェブサイトにアップされたヴァーチャル展示を何度も紹介してきましたが、今回は、「ドイツ民主共和国の女性」へのリンクを貼っておきます。 Frauen in der DDR, in: Bundesarchiv Internet. 2014年の「文書館の日」は…

第5回ヘルマン・ヴェーバー会議とウェブサイト「民主主義の隠された声」

2023年3月15日から17日にかけて、ベルリンのフリードリヒ・エーベルト財団の会議場で、共産主義の歴史研究をテーマとした、第5回目のヘルマン・ヴェーバー会議が開催されました。 この第5回会議の詳細は、「民主主義の隠された声――1945年以降の西ヨーロッパ…

東ドイツにおける国際友好と契約労働者について

1998年に設立された「ドイツ社会主義統一党独裁検証のための連邦基金(Bundesstiftung zur Aufarbeitung der SED-Diktatur)」のウェブサイトに東ドイツ時代に契約労働者に関連する特設ページがあることを知りました。こちらにメモしておきます。 Völkerfreu…

ギリシャの対ドイツ戦争賠償要求について

2022年6月、ギリシャの外交官であるアリース・ラディオプロス(Aris Radiopoulos)氏が執筆した、第二次世界大戦時のギリシャの被害についての対ドイツ賠償要求を扱った本のドイツ語版が、メトロポール出版社から刊行されました。 Aris Radiopoulos, Die gri…

現代史におけるナショナリズム――Merkurより

研究メモです。 ドイツの現代思想系の雑誌『メルクーア』 Merkur の2023年3月号に、「現代史におけるナショナリズム」という論説が掲載されました。オープンアクセスです。 Claudia Gatzka, Nationalismus in der Zeitgeschichte, in: Merkur, 886 (2023), 5…

アフリカ系ドイツ人女性向け雑誌 Afrekete について

ブラック・ライブズ・マター運動を背景に、ヨーロッパ在住のアフリカ系の人びとの社会運動の歴史を振り返る試みをよく目にします。 その事例の一つとして、1988年から1990年まで刊行された、『アフレケーテ――アフリカ系ドイツ人および黒人女性のための新聞』…

戦後ドイツの家族史、農民生活からの静かな別れ――ローザ・ルクセンブルク財団より

2023年2月20日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトより、西ドイツ戦後史として、ある農場を営む家族の歴史をたどった本の書評が掲載されました。農業地域における転換を経験した家族の歴史をインタビューをもとに再構成した研究とのことです。ちょっ…

ナチ期との司法の連続性について――南ドイツ新聞より

2023年2月15日、『南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)』オンライン版に「司法とナチズム――新たなローブをまとった褐色の法律家」というタイトルの記事が掲載されました。 Ronen Steinke, Justiz und Nationalsozialismus: Braune Juristen in frischen Rob…

1989・90年、東ドイツ体制転換についての研究動向論文――オンライン現代史事典ドキュペディア・ツァイトゲシヒテより

ドイツ語圏の現代史オンライン事典ドキュペディア・ツァイトゲシヒテ(Docupedia-Zeitgeschichte)というウェブサイトがあります。 Docupedia-Zeitgeschichte 2022年10月、このウェブサイトに、1989・1990年以降の東ドイツ体制転換についての研究動向をまと…

ドイツの右翼テロとその連続性、(非)記憶について――ローザ・ルクセンブルク財団より

2023年2月、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、「メルン、NSU、ハレ、ハーナウ――右翼テロ、連続性、ドイツの(非)記憶」というタイトルの論説が掲載されました。 Efsun Kızılay, Mölln, NSU, Halle, Hanau, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung, Februar …

ベルトルト・ブレヒトについて――Jacobin誌より

2023年2月10日にドイツ語圏の左派系オンライン誌 Jacobin に、生誕125周年を記念して、ベルトルト・ブレヒトがいかに古典となったか、彼の作品をめぐる同時代の評価を論じた記事が掲載されました。 Marc Silberman, Klassiker wider Willen, in: Jacobin, 10…

ドイツ記憶文化をめぐる「和解劇場」論について――マックス・チョレック氏の近著より

2023年2月5日にダス・エルステ(Das Erste、第1ドイツ・テレビ)局より放送された、作家マックス・チョレックによる近著『和解劇場』を取り上げた番組が放送されました。 "Versöhnungstheater": Max Czollek über einseitige deutsche Erinnerungskultur, in…

ナチ・ホロコースト研究における亡命歴史家たちについての近著オープンアクセス

戦後西ドイツと米国のナチズム・ホロコースト研究における亡命経験をもつ歴史家たちに焦点を合わせた研究が、オープンアクセスで公刊されました。以下にダウンロードできるウェブサイトへのリンクを貼っておきます。 Anna Corsten, Unbequeme Erinnerer: Emi…

ドイツの1933年1月30日を語る本――ナチズムに抗する記憶の古典について

2023年2月1日、ドイツ語圏の現代史系ウェブサイト、Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に、ドイツの1933年1月30日、つまりヒンデンブルクによってヒトラーが首相に任命されたナチによる権力掌握の日の記憶にかかわる2冊の基本文献を紹介する論説が掲載…

プロレタリア・アイデンティティ政治――Arbeit – Bewegung – Geschichteより

2023年1月31日、ドイツ語圏の雑誌 Arbeit – Bewegung – Geschichte: Zeitschrift für historische Studien(労働-運動-歴史――歴史研究雑誌)より、ベネディクト・ゼップ「プロレタリア・アイデンティティ政治――西ベルリン・ベースグループ、1968-1969年」…

東ドイツにおける移民経験を焦点にあてた論集について

「・・・ドイツ民主共和国は私には約束の地に思えた」というタイトルで、東ドイツにおける移民についての論考を集めた論文集が、2022年3月に出版されました。最近、移民視点の東ドイツをテーマにした本をよく目にします。この本もその一つでしょう。 Carina …

自己防衛運動としての反ファシズム――ローザ・ルクセンブルク財団より

2023年1月、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、『自己防衛運動としての反ファシズム――ポスト・ユーゴスラヴィア空間、ヨーロッパほかにおける今日の反ファシズムの状態についての省察』という本のPDF版がアップされました。フリーアクセスです。 …

グローバル権威主義研究――IRGACより

2022年11月、権威主義と対抗戦略についての国際研究グループ(International Research Group on Authoritarinism and Counter-Strategies、IRGAC)が、transcript社より『グローバル権威主義――南からの視点と異議申し立て』と題した論文集を刊行しました。オ…