浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツ史|戦後史・冷戦史・現代史

偽造されたヒトラー日記についてのドイツ連邦文書館ヴァーチャル展示

2023年4月24日、メディア事業を展開するベルテルスマン社は、偽造された『ヒトラー日記』をドイツ連邦文書館に引き渡す、とのプレスリリースを発表しました。同社のプレスリリースはこちら。 Bertelsmann wird gefälschte „Hitler-Tagebücher“ an das Bundes…

アパルトヘイトに抗議したドイツ福音主義女性運動について――デジタルドイツ女性アーカイブより

2023年5月22日、デジタルドイツ女性アーカイブに「連帯からボイコットへ」と題した短い論説が掲載されました。こちらは、1978年に始まった、ドイツ福音主義女性事業(Evangelische Frauenarbeit in Deutschland、略称EFD)のプロジェクト・グループ「南アフ…

アナ・ハーク(Anna Haag)について

ローザ・ルクセンブルク財団のSNSで、2023年7月10日がアナ・ハーク(Anna Haag)生誕135周年ということを知りました。アナ・ハークさんは、ドイツ語圏の女性の伝記をまとめているウェブサイト、FemBioでは、ジャーナリスト、作家、政治家、平和活動家として…

いかにナチ富豪が戦後ドイツでさらに豊かになったのか――Jacobin誌より

だいぶ前になりましたが、2023年1月10日、ドイツの左派系メディア、Jacobin誌に「どのようにナチ億万長者が戦後ドイツでさらに豊かになったのか」という記事が掲載されました。 Wie Nazi-Milliardäre im Nachkriegsdeutschland noch reicher wurden, in: JAC…

移民視点の東ドイツ史図像記録――De-Zentralbildより

移民視点からドイツ民主共和国史の記憶を作ろうとするウェブサイト、De-Zentralbild (脱中心的イメージの意)を知りました。 De-Zentralbild – Migrant:innen in der DDR このトップページでは、私的な写真や記憶を記録することで、ドイツ民主共和国の図像…

Twentieth Century Communismの反人種主義・反植民地主義特集(2023年第24号)

Twentieth Century Communism という学術誌の第24号(2023年)が公刊されまして、「コミンテルン時代における共産主義反人種主義・反植民地主義」特集です。 "Communist anti-racism and ant-colonialism in the Comintern era," Twentieth Century Communis…

ローザ・ルクセンブルク財団歴史ポッドキャスト第23回「1945年以降の極右」について

ローザ・ルクセンブルク財団の歴史ポッドキャスト Rosalux History の第23回放送が同ホームページにアップされています。今回は、「1945年以降の極右――選挙政党から右翼テロリズムまで」です。リンク先はこちら。 Rosalux History, in: Rosa-Luxemburg-Stift…

いかに戦後西ドイツの歴史学界が米国亡命歴史家のホロコースト研究に抵抗したか――『南ドイツ新聞』より

2023年6月25日に『南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeiung)』のオンライン版に、「部外者の正確なまなざし(Der präzise Blick der Außenseiter)」というタイトルの記事が掲載されました。 Probst Robert, Holocaust-Forschung nach 1945: Präziser Blick der A…

『歴史家論争2.0』、『ムベンべの彼方』へのH-Soz-Kult掲載書評

2023年6月15日、ドイツ語圏の歴史学総合ポータルサイト、H-Soz-Kultに、以下の2冊についての書評が掲載されました。 Neiman, Susan/ Michael Wildt (Hrsg.): Historiker streiten. Gewalt und Holocaust – die Debatte. Berlin: Propyläen Verlag, 2022. Böc…

旧東ドイツ・アイデンティティと左派政治――ローザ・ルクセンブルク財団評論誌『ルクセンブルク』より

2023年5月、ローザ・ルクセンブルク財団の評論誌 Luxembuerg: Gesellschaftsanalyse und linke Praxis に、ドイツ民主共和国、つまり旧東ドイツ出身であることのアイデンティティが左派の政治にどのようなインスピレーションを与えるか、というテーマの対談…

グリゴリス・ランブラキスについて――ローザ・ルクセンブルク財団より

ギリシャ現代史に関心がありまして、2023年5月25日、ローザ・ルクセンブルク財団ホームページに、グリゴリス・ランブラキス(1912-1963年)の足跡をたどる論説が掲載されましたので、リンクを貼っておきます。 Evi Gkotzaridis, "When Feelings Precede Tho…

ドイツにおける難民政策についての歴史的位置について――Geschichte der Gegenwartより

2023年5月24日、ドイツ語圏の現代史をテーマとしたウェブサイト、Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に、「『難民妥協』――現在の調停の試みの歴史的位置づけ」というタイトルの論説が掲載されました。 Stefan Zeppenfeld, Der „Asylkompromiss“. Histor…

マリア・ミースの追悼記事について

2023年5月15日、日本でも『国際分業と女性――進行する主婦化』(奥田暁子訳、日本経済評論社、1997年)や共著の『世界システムと女性』(古田睦美・善本裕子訳、藤原書店、1995年)で知られる、マリア・ミースさんが亡くなりました。 エラスムス・ロッテルダ…

ドイツのストライキと移民、1973-2023年――ローザ・ルクセンブルク財団より

ローザ・ルクセンブルク財団ノルトライン=ヴェストファーレン支局は、2023年8月から10月にかけて、半世紀前からのストライキの過去を振り返る映画鑑賞や討論企画を各地で開催するとのことです。*1 „Ihr Kampf ist unser Kampf!“ Streik 1973 bis 2023 und d…

ゾーリンゲン放火殺害事件から30年――オープンアクセス論文集

1993年5月29日の夜間にゾーリンゲンでトルコ人移民家庭に対する放火殺害事件が発生しました。2023年はそれからちょうど30年になります。その事件を振り返る論文集が、4月に刊行されました。オープンアクセスです。 Birgül Demirtas / Adelheid Schmitz / Der…

社会的市場経済の形成についての神話と事実――L!NXより

2023年4月、「デジタル教育プラットフォーム」を掲げる、ドイツ語圏の左派系ウェブサイト L!NX に、「社会的市場経済の形成についての神話と事実」という項目が掲載されました。 Mythen und Fakten zur Sozialen Marktwirtschaft, in: L!NX, April 2023. リ…

ヴォルフガング・アーベントロートについてのウェブサイト

ドイツ連邦共和国の成立初期を代表する政治的知識人の一人として、法学・政治学・歴史学を専門としたヴォルフガング・アーベントロート(Wolfgang Abendroth、1906-1985年)を紹介するウェブ空間上のプロジェクトを知りました。私はこれまでほとんど知らない…

ドイツ民主共和国の国家芸術貿易に関わる史料紹介――ドイツ連邦文書館より

ずいぶん以前、つまり2018年6月1日に、ドイツ連邦文書館による、ドイツ民主共和国の「国家芸術貿易(Staatlicher Kunsthandel)」についての史料がオンライン検索できるというプレスリリースが出ていたことを知りました。 Akten des Staatlichen Kunsthandel…

ベルタ・タールハイマーについて――Frauen & Geschichte Baden-Württembergより

以前にこのブログで、Frauen & Geschichte Baden-Württemberg e.V. (女性と歴史・バーデン=ヴュルテンベルク 社団法人)のウェブサイトを紹介しました。 「『女性と歴史・バーデン=ヴュルテンベルク』ウェブサイトについて」浅田進史研究室/歴史学ブログ…

『わたしたちのドイツ・メルヘン』について――3satより

2023年4月19日、3satというドイツ公共放送のウェブサイトで、2023年ライプツィヒ見本市で受賞したディンツァー・ギュンツェーターさんの小説『わたしたちのドイツ・メルヘン』(2022年)を紹介する番組が放送されました。 Literaturgespräch: "Unser Deutsch…

カール・コルシュ(1886-1961年)について

2023年4月19日、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、ブックミラー編『マルクス主義の刷新――カール・コルシュ(1886-1961年)』という本の紹介が掲載されました。 Sebastian Klauke, Buckmiller (Hrsg.): Die Erneuerung des Marxismus. Karl Korsch…

赤い足跡――女性労働者(と男性労働者)の歴史に力点をおいたドイツ語ウェブサイト

"Rote Spuren: Interessiert an der Geschichte der Arbeiterinnen und Arbeiter(赤い足跡――女性労働者および男性労働者の歴史に関心を払う)"というウェブサイトにたどり着きました。 Rote Spuren: Interessiert an der Geschichte der Arbeiterinnen und …

ポール・ロブソンについての評論――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2023年4月9日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、「ポール・ロブソン――左翼の悲劇的英雄」というタイトルの論説が掲載されました。 Mario Kesseler, Paul Robeson: The Left's Tragic Hero, in Rosa-Luxemburg-Stiftung, April 9, 2023. リード…

ドイツ歴史博物館展示「約束としての進歩――分断ドイツにおける産業写真」について――ヴィジュアル・ヒストリーより

専門テーマであるドイツ植民地主義関連の論考でも、図像史的アプローチを採る研究を目にしたことがありますが、「ヴィジュアル・ヒストリー」というドイツ語圏のウェブサイトを知りました。 Visual History | Visual-History Online-Nachschlagewerk für die…

スターリン主義の歴史的検証の現況についての討論会YouTube動画――ローザ・ルクセンブルク財団

ベルリンの左派系の団体ヘレ・パンケ=ローザ・ルクセンブルク財団("Helle Panke"e.V.-Rosa-Luxemburg-Stiftung)のウェブサイトに、2023年4月17日に開催された討論会「今日の共産主義研究――スターリン主義検証の現状について(Kommunismusforschung heute.…

フランクフルト社会研究所創設100周年に寄せたフランクフルト学派を振り返る記事

2023年3月30日、ドイツの左派系ジャーナル『ジャコバン』(Jacobin)誌に「階級闘争から文明批判へ(Vom Klassenkampf zur Zivilisationskritik)」という記事が掲載されました。こちらは、フランクフルト・アム・マインにあるフランクフルト社会研究所(Ins…

ドイツにおける移民の自己組織化について――デジタルドイツ女性アーカイブより

2023年3月30日、デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトに、「移民の自己組織の伝統路線」というタイトルの記事が掲載されました。 Traditionslinien migrantischer Selbstorganisation, in: Digitales Deutsches Frauenarchiv, 30. März 2023. リード…

ドイツ民主共和国の女性――ドイツ連邦文書館のヴァーチャル展示より

これまでこのブログでドイツ連邦文書館ウェブサイトにアップされたヴァーチャル展示を何度も紹介してきましたが、今回は、「ドイツ民主共和国の女性」へのリンクを貼っておきます。 Frauen in der DDR, in: Bundesarchiv Internet. 2014年の「文書館の日」は…

第5回ヘルマン・ヴェーバー会議とウェブサイト「民主主義の隠された声」

2023年3月15日から17日にかけて、ベルリンのフリードリヒ・エーベルト財団の会議場で、共産主義の歴史研究をテーマとした、第5回目のヘルマン・ヴェーバー会議が開催されました。 この第5回会議の詳細は、「民主主義の隠された声――1945年以降の西ヨーロッパ…

東ドイツにおける国際友好と契約労働者について

1998年に設立された「ドイツ社会主義統一党独裁検証のための連邦基金(Bundesstiftung zur Aufarbeitung der SED-Diktatur)」のウェブサイトに東ドイツ時代に契約労働者に関連する特設ページがあることを知りました。こちらにメモしておきます。 Völkerfreu…