浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

2022-01-01から1年間の記事一覧

1945年以降の反ファシズム特集号――ドイツ語圏の労働運動史雑誌より

2022年10月8日、ドイツ語圏の労働運動史雑誌である、Arbeit-Bewegung-Geschichte (労働-運動-歴史)の2022年10月に刊行された第21巻第3号の目次がアップされました。特集テーマは、「シーシュポスとなる運命――1945年以降の反ファシズム」です。 21. Jahrg…

マーカス・レディカーによる「下からの歴史」のための文献リスト

ピッツバーグ大学のマーカス・レディカーさんのウェブサイトに、「いかに下からの歴史を書くか」と題した、学士号取得者向けに「下からの歴史」、「民衆史」、「ラディカル・ヒストリー」を学ぶための文献リストが掲載されています。 How to Write History f…

1982年、サブラ・シャティーラの虐殺から40年――taz紙より

2022年9月16日、ドイツの左派系メディア taz 紙より、40年前に起きたレバノンの首都ベイルート近郊のパレスチナ難民キャンプ、シャティーラとサブラで3日間に及んだ虐殺事件、いわゆる「サブラ・シャティーラの虐殺」(1982年9月16-18日)についての記事が…

女性の権利・平和運動家マリアンネ・コンツェへのインタビュー動画――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2022年5月13日に撮影されたマリアンネ・コンツェさんへのインタビュー動画がローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトで公開されています。 Marianne Konze – Frauenrechtlerin, Friedensaktivistin, Kommunistin, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung YouTubeでのイ…

ジュネーブ国際連合図書館・文書館所蔵国際連盟関係史料デジタル化プロジェクトの完了

2022年10月5日、国際連合ジュネーブ事務局のSNSアカウントより、国際連盟関係史料のデジタル化プロジェクト Total Digital Access to the League of Nations Archives Project (LONTAD) が完了した、との告知がありました。このプロジェクトについては、こち…

民主主義革命の偉大な理論家としてのローザ・ルクセンブルク――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2022年9月21日、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、「ローザ・ルクセンブルクは民主主義革命の偉大な理論家だった」というタイトルの論説が掲載されました。 Peter Hudis, "Rosa Luxemburg Was the Great Theorist of Democratic Revolution," in: …

1960年代末・1970年代初頭は右翼的な転換期か――H-Soz-Kultのシンポジウム報告より

2022年10月5日、ドイツ語圏の歴史系の総合ポータルサイト H-Soz-Kult に、「右翼的な転換期か――1960年代末・1970年代初頭における極右政治の移行段階」というタイトルのシンポジウム報告が掲載されました。 Linn Sofie Børresen, Rechte Zeitenwende? Die Tr…

ヴォルフガング・ヒーン『肉体の労働』改訂版について

2018年にヴォルフガング・ヒーン氏が著した『肉体の労働――ドイツ・オーストリアにおける高度工業化からネオリベラルの現代まで』という本の改訂版が出ました。出版社のウェブサイトへの本紹介ページのリンクを貼っておきます。 Wolfgang Hien, Die Arbeit de…

イェナ大学ジェンダー史講座の抹消をめぐって――nd紙より

2022年9月26日、ドイツ語圏の左派系オンライン紙 nd に、イェナ大学のジェンダー史教授職が、デジタル人文学に置き換えられる予定となった経緯を探るインタビュー記事が掲載されました。タイトルは「大学政策――巻き添えとしてのジェンダー研究」です。 Tanja…

脱植民地化をテーマにしたシンポジウム――ハインリヒ・ベル財団より

研究メモです。 すでに終わっていますが、2022年10月21-22日の2日間にわたって、ドイツのハインリヒ・ベル財団ほか主催で、「脱植民地化――グローバル化した世界のポスト帝国的視角」というシンポジウムが開催されました。シンポジウムのプログラムは以下の…

20世紀における労働現場での暴力、20世紀のレジスタンス闘士――Call for PapersとCall for Articles

研究動向のメモです。ちょうど似た時期に知りまして。 一つは、2023年11月23日-24日にフリードリヒ・エーベルト財団が主催予定のシンポジウム「20世紀における労働現場での暴力――労働組合史への新たな視角」への報告ペーパー募集です。 Gewalt am Arbeitspl…

西ドイツの女性平和運動について――デジタルドイツ女性アーカイブより

少し前の記事になりますが、2020年3月3日に、デジタルドイツ女性アーカイブのウェブページに「西ドイツ女性平和運動(WFFB)」と題した紹介記事が掲載されました。 Helke Dreier: Westdeutsche Frauenfriedensbewegung (WFFB), in: Digitales Deutsches Frau…

ヴァイマル共和国についての10の映像――デジタルメディア展示プロジェクトmusealisより

「新しい時代には新しい語り方が必要だ」と謳う、デジタル資料でのオンライン展示に取り組む、MUSEALIS というウェブサイトを知りました。 MUSEALIS そのプロジェクトをチェックしますと、色々なデジタル資料を見ることができます。そのうちの一つ、「ヴァイ…

HANNAH――反ユダヤ主義的神話を克服するための取り組み

HANNAH というウェブサイトを知りまして、こちらで紹介しておきます。 HANNAH こちらは、2020年から2022年にかけて欧州連合プログラム「権利、平等、市民権」に共同出資された、反ユダヤ主義的な「神話」を克服するための取り組みです。ドイツ、ポーランド、…

1972年ミュンヒェン・オリンピックとテロ事件について――ドイツ連邦文書館のヴァーチャル展示

1972年に開催されたミュンヒェン・オリンピックから50周年ということで、最近、とくにテロ襲撃事件に焦点を当てたテレビ番組がドイツでよく放送されていました。 ドイツ連邦文書館のウェブサイトにも、ヴァーチャル展示「1972年オリンピック――テロ襲撃が『オ…

歴史家は論争する――アインシュタイン・フォーラムより

2022年9月29日に、ズーザン・ナイマンさんとミヒャエル・ヴィルトさんによって編集された論文集、Historiker streiten: Gewalt und Holocaust - die Debatte(歴史家は論争する――暴力とホロコースト、その議論)が出版されました。出版社のウェブサイトはこ…

ドイツの小さな出版社はどう存続していけるのか――Buch Markt より

2022年9月18日に、Buch Markt(書籍市場の意)という雑誌のウェブサイトに、Argument という出版社を営むエルゼ・ラウダンさんへのインタビュー記事が掲載されました。タイトルは「そこから出版社をどう営んだらよいのか」といった意味です。 ドイツの独立し…

移民史視点の1970・80年代西ドイツ労働運動について

研究メモです。 このブログでも、移民史の視点から第二次世界大戦後のドイツ連邦共和国における労働運動・労働組合・ストライキが移民史の視点から問われるようになってきたことを紹介してきました。*1 また関連書籍を目にしましたので、ここにリンクを貼っ…

ポーランド分割――ローザ・ルクセンブルク財団歴史ポッドキャストRosalux Historyより

2022年9月21日、ローザ・ルクセンブルク財団SNSより、歴史ポッドキャスト Rosalux History より、第19回「ポーランド分割(Die Teilungen Polens)」の配信のお知らせがありました。リンク先は以下の通りです。 Rosalux History - Rosa-Luxemburg-Stiftung …

ロシアの反戦運動を伝える5つのテクスト――akより

2022年9月23日、ドイツ語圏の左派系メディアで「左翼の討論と実践のための新聞」を掲げる ak 紙のウェブサイトに、「ロシアの反戦運動からの5つの文書」と題した記事が掲載されました。 Fünf Texte aus der russischen Antikriegsbewegung, in: ak analyse &…

ミレーネ・イェセンスカについて――アーロルゼン・アーカイブズより

少し前の記事ですが、2021年10月8日、ナチズムによって迫害された犠牲者・生存者に関する史資料を収集・保管する活動に取り組むアーロルゼン・アーカイブズのホームページに、「ミレーネ・イェセンスカ――ジャーナリスト、フェミニスト、レジスタンス闘士」と…

データのなかのドイツ――歴史統計の視点から

すでにご存じの方も多いかもしれません。ドイツ経済史の通史をいくつかあさっていましたら、「データのなかのドイツ」というウェブサイトにたどり着きました。テキスト版とデータセットがダウンロードできます。 Deutschland in Daten – Zeitreihen zur Hist…

フライブルクと植民地主義――アウグスティン博物館の展示について

2022年6月25日から2023年6月11日まで、フライブルクのアウグスティン博物館(Augustinermuseum)で「フライブルクと植民地主義――昨日?今日!(Freiburg und Kolonialismus: Gestern? Heute!)」が開催されていることを知りました。 フライブルクの美術館・…

『ベルリン情勢(Berliner Zustände)』 の発行停止と今後について――ベルリンの極右勢力の監視・記録活動団体 apabiz より

ベルリンの極右勢力の情勢を監視し、情報収集と資料保存の取り組みを進める団体 apabiz のウェブサイトで、年次報告書『ベルリン情勢(Berliner Zustände)』 の発行停止が告知されました。 Einstellung der »Berliner Zustände«: Zeit für neue Wege, in: a…

第一次世界大戦後ドイツのハイパーインフレーションに関する近刊書紹介――Sehepunkteより

歴史学のオンライン書評ジャーナル『ゼーエプンクテ(sehepunkte、視点・観点の意)』 に、第一次世界大戦後にドイツを襲ったハイパーインフレーションについての近著が紹介されました。リンクはこちらです。 Wolfgang Erz: Rezension von: Mark Jones: 1923…

植民地犯罪、ホロコースト、新しい記憶について―― taz紙ブログより

2022年9月7日、ドイツの左派系新聞 taz 紙のブログに、ジャーナリストのシャルロッテ・ヴィーデマンさんへのインタビューが掲載されました(ポッドキャスト配信)。ドイツ植民地主義とホロコーストの記憶をめぐる最近の論争について扱ったものです。 Dissens…

マルゲリータ・フォン・ブレンターノについて

2022年9月9日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、マルゲリータ・フォン・ブレンターノを紹介する記事が掲載されました。 Susan Neiman, Politik, Marxismus und Universiätsreform: Die Philosophin Margherita von Brentano (1922 – 1995) , in…

L!NX――新しいデジタル教育プラットフォーム

ローザ・ルクセンブルク財団のSNSから、L!NXという新しいウェブサイトを知りました。批判的かつ左派的な視点をもった、基本を知りたいすべての人に向けた、デジタル教育プラットフォームを謳っています。 L!NX グローバル化、貿易、歴史、文化、経済、労働、…

ルール地域の産業遺産を学ぶ――ルール地域連合ウェブサイトより

ルール地域連合(Regionalverband Ruhr)のウェブサイトにある「テーマ・ルート――ルール地域のすべての諸相」というページを知りました。 Route Industriekultur: Themenrouten, in: Regionalverband Ruhr ドイツの工業化を主導したルール地域ですが、その歴…

ニュルンベルク医師裁判から75年――BR24より

2022年8月19日、バイエルン放送のウェブサイト BR24 に「ニュルンベルク医師裁判から75年――裁かれたナチ犯罪」というタイトルの記事が掲載されました。 Tina Wenzel, 75 Jahre Nürnberger Ärzteprozess: NS-Verbrechen vor Gericht, in: BR24, 19. August 20…