浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

2020-01-01から1年間の記事一覧

歴史学関係参考書目

研究の備忘録です。気ままにメモしていきます。随時更新します。 アジア史関係 斯波義信編『中国社会経済史用語解』東方書店、2012年

「運動史をデジタル化する」――デジタル化プロジェクトのための法律関係ブックレット

2020年6月17日、デジタルドイツ女性文書館(Digitales Deutsches Frauenarchiv)は、デジタル化プロジェクトを進める際の実際的な知識となる法律関係を説明したブックレットの改訂版を出版しました。 Valie Djordjević / Paul Klimpel, Bewegungsgeschichte …

2020年度歴研大会特設部会準備ノート(9)――日本歴史学協会若手研究者問題検討委員会の発足まで

はじめに 1 なぜ日本歴史学協会に若手研究者問題検討委員会の設置を提案したのか 2 提案の内容 (1)提案の理由 (2)設置形態、財源、活動内容に関する提案 3 日本歴史学協会若手研究者問題検討委員会の発足 所感 はじめに 2020年12月6日に予定されている歴…

歴史学関係のイベント情報(2020年8月以降、2021年10月1日更新)

はじめに 学会・研究会 2021年12月 2021年11月 2021年10月 2021年9月 2021年8月 2021年7月 2021年6月 2021年5月 2021年4月 2021年3月 2021年1月 2020年12月 2020年10月 2020年9月 博物館ほか 2020年10月 イベント全般 2021年9月 2021年3月 2020年8月 海外 20…

「植民地スキャンダル」――1894年、A・ベーベル、帝国議会に鞭を持ち込んでドイツ植民地政策を批判する(Das Parlament、2020年1月6日)より

アウグスト・ベーベルは、19世紀末から20世紀初頭にかけてドイツ社会民主党の中心人物の一人です。1894年2月、彼が帝国議会で鞭を持ち込んでドイツ植民地政策を批判した事件も比較的知られた事件かもしれません。 ベーベルは持ち込んだ鞭を手に、ドイツ植民…

プロイセン古典音楽の手稿楽譜――ベルリン州立図書館より

ベルリン州立図書館(Staatsbibliothek zu Berlin)のブログ記事に、プロイセン古典音楽の復刻された手稿楽譜についての論説が掲載されました。*1 Simone Walters, Recovered music manuscripts of the Prussian Baroque, 8. Juni 2020 ベルリン・ジング=ア…

「どのように右翼は歴史を歪曲するか」――アンネ・フランク教育センターのブックレット

フランクフルト・アム・マインにあるアンネ・フランク教育センターのウェブサイトを訪問しました。 Bildungsstätte Anne Frank もとは、2020年6月15日の「デジタル・アンネ・フランクの日」の情報に接することがあって、もう一度確認するためでした。 2017年…

The Economic History ReviewとOxford Academicの感染症関連論文特集

1.The Economic History Review 2. Oxford Academic 補遺 研究メモです。 The Economic History ReviewとOxford Academicは、新型コロナ感染症に直面する今、感染症の歴史に関連する過去の論文をまとめたウェブサイトを公開しています。そちらに掲載された…

K・アイスナー、W・ラーテナウほか遺稿史料のオンライン化――ドイツ連邦文書館ヴァイマル共和国史料ポータル

ドイツ連邦文書館には、ヴァイマル共和国史料ポータルサイトがあります。こちらからどうぞ。*1 Weimar - Wege zur Demokratie: Quellenportal des Bundesarchivs 各地のドイツ連邦文書館文書館員がプロジェクトグループ「ヴァイマル――最初のドイツ民主政(W…

H・アーレント研究所ブログ――1990年代以降の東ドイツ女性運動史の紹介論説

2020年6月4日、ハンナ・アーレント研究所ブログに、1990年代東ドイツ女性運動史についての論説が掲載されました。 Aufbruch – Anpassung – Selbstbehauptung: Die ostdeutsche Frauenbewegung in den 1990er Jahren am Beispiel Leipzigs 著者のイェシカ・ボ…

ミニチュア模型特別展示「分断された都市、1945-1990年」――フォーラム・ヴィリー・ブラント・ベルリンより

第二次世界大戦後のベルリンの歴史に関心のある人には興味が引かれる情報かもしれません。*1 ヴィリー・ブラント財団より。Forum Willy Brandt Berlinでミニチュア模型特別展示「分断された都市、1945-1990年」が開催中です。入場無料とのことです。2020年1…

2020年度歴研大会特設部会準備ノート(8)――「西洋史若手研究者問題アンケート調査最終報告会」(2015年)の振り返り

はじめに 1 西洋史若手研究者問題ワーキンググループの提言 1)さらなる正確な現状の把握にむけて 2)経済的な問題について 3)研究環境について 4)ハラスメントへの対策と防止策について 5)若手研究者の家族形成の難しさについて 6)日本歴史学協会による…

ウォルター・ロドニー――2020年6月13日Daily Radical History「今日は何の日」に寄せて

南北問題・従属理論に関心のある人であれば、ウォルター・ロドニー(Walter Rodney)の名前を聞いたことがあるでしょう。*1 Daily Radical Historyのツイートで、6月13日は1980年にガイアナ共和国歴史家・活動家ウォルター・ロドニーが首都ジョージタウンで…

ロベルト・コッホとドイツ植民地主義――Der Tagesspiegel紙の記事より

2020年5月25日、ベルリンの日刊紙デア・ターゲススピーゲル紙(Der Tagesspiegel)は、ロベルト・コッホの記事をウェブサイトに掲載しました。*1 Paul Starzmann, Die zwielichtige Karriere des Dr. Robert Koch, in: Der Tagesspiegel, 25. 05. 2020 「ロ…

ドイツ連邦文書館オンライン展示「伝染病!立ち入り禁止!――ドイツ帝国と植民地における感染予防とその闘い、1871-1933年」

感染症に関連するドイツ連邦文書館オンライン展示を紹介します。 "Ansteckende Krankheit! Zutritt verboten!": Infektionsvorsorge und -bekämpfung im Deutschen Reich und seinen Kolonien 1871-1933 「伝染病!立ち入り禁止!――ドイツ帝国と植民地におけ…

ドイツ民主共和国と移民史――ウェブサイト「国家市民学」より

"Staatsbürgerkunde”というウェブサイトを知りました。ドイツ民主共和国、つまり東ドイツでの日常生活を、いわゆる「オスタルギー(東ドイツ時代への郷愁)」なしに振り返るインタビュー記録がアップされています。*1 Staatsbürgerkunde 2020年6月11日、この…

ホロコーストとBlack History Matters――ノイエンガメ強制収容所記念館より(2020年8月18日更新)

はじめに Anton de Komについて はじめに ハンブルク近郊にナチのホロコーストを追悼・記録・検証する施設、ノイエンガメ強制収容所記念館があります。*1 同施設のウェブサイトはとても充実しています。そして同時に、SNSによる発信も積極的に行われています…

「自転車の日」に寄せて――フリードリヒ・エーベルト財団より

ドイツ社会民主党系のフリードリヒ・エーベルト財団(Friedrich-Ebert-Stiftung)が6月3日の「自転車の日」に寄せて、ちょっとした情報を提供してくれました。*1 同財団ウェブサイト内のドイツ社会民主党系新聞史料オンラインから「自転車」関連記事を検索す…

E・ホブズボーム――ローザ・ルクセンブルク財団historyの「今日は何の日」に寄せて

ローザ・ルクセンブルク財団はいくつものTwitterアカウントをもっていますが、そのうちのhistoryのアカウントから、2020年6月9日に「今日は何の日」ツイートがありました。*1 rls_history (@rls_history) 2020年6月9日 歴史家エリック・ホブズボーム(Eric H…

新型コロナ感染症下の現代ドイツ移民労働問題について

新型コロナ感染症がドイツでも広まり、大きな問題となっています。2020年5月19日に、この問題と移民労働者の労働環境に焦点をあてた論説がローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに寄稿されました。*1 Benjamin Luig, Gesundheit am Arbeitsplatz reicht …

2016年以降のナチ強制収容所祈念施設に対する極右・ネオナチ襲撃事件の時系列記録――taz紙より

ドイツに留学しているとき、左派系で学生が読む新聞ということで、taz紙を知りました。die tageszeitung、通称のtaz(タッツ)として有名です。*1 そのtaz紙のウェブサイトに、2020年5月26日、ナチ犯罪の祈念施設である強制収容所への攻撃が年々増加している…

バスティオン・ポイント――ニュージーランドのマオリの歴史に関連して

ドイツ植民地主義を研究する立場から、オセアニア地域での先住民権利回復運動に関する歴史についても、関心をもっています。 Working Class Historyより、労働運動史にとって「今日は何の日」という情報が発信されていますが、2020年5月25日には、先住民関連…

イギリス女性参政権運動の歴史に関連して――D・F・モンテフィオーリ(1851-1933年)

大学で経済史の講義を担当していますが、最近のフェミニズムの再評価の流れもあって、学生から欧米の参政権運動の歴史について尋ねられることが多くなりました。 Working Class Historyは、毎日、労働運動に関する情報を提供してくれており、そのなかには女…

2020年度歴研大会特設部会準備ノート(7)――現代史研・東欧史研・近現研共催「西洋史若手研究者問題を考える」(2014年)の振り返り

はじめに 1 当日のプログラム 2 立場別報告書の論点整理 3 コメントの振り返り (1)上村コメントについて 「史学」大学院生数と志願者数の推移 所感――とくにキャリアパスについて (2)辻コメントについて いま、「若手研究者問題」を考えるということ アン…

ホロコースト研究オンライン講座――EHRI(欧州ホロコースト研究基盤)より

EHRI(European Holocaust Research Infrastrukture、欧州ホロコースト研究基盤)のウェブサイトは、ホロコーストに関する研究成果を教育・研究に活用したい人に向けたオンライン講座を公開しています。 EHRI Online Course in Holocaust Studies これは教員…

「1990年東西ドイツ女性会議」――デジタルドイツ女性アーカイブより

デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトで、また興味深いページが追加されました。*1 1990年4月27日から29日にかけて、ベルリンで最初の東西ドイツ女性運動活動家たちによる合同会議が開催されました。その30周年記念企画として、当時のポスターや写真…

「民度」について――帝国主義研究・植民地主義研究の視点から

今さらですが、「民度」は差別表現です。*1 近年、揶揄するような文脈でメディアや日常会話のなかで、この表現が許容されるようになっている気がします。歴史的に帝国主義者・植民地主義者が好んで使ってきた表現で、安易に使われる風潮を懸念しています。確…

「ドイツ基本法と議会評議会」――ドイツ連邦政治教育センター特集ウェブサイト

第二次世界大戦の終結から75周年ということで、ドイツ語圏のインターネット空間でも色々な取り組みがみられます。 2020年5月23日、つまり1949年5月23日にドイツ連邦共和国基本法への署名・公布された日に合わせて、ドイツ連邦政治教育センターのウェブサイト…

Working Class Historyよりサッコ=ヴァンゼッティ事件(1921年)によせて

数年前のゼミで、学生による戦間期の米国社会についてのグループ発表がありました。そのときに、サッコ=ヴァンゼッティ事件について触れる機会がありました。また、ゼミで取り上げる学生がいるかもしれませんので、ここにメモしておきます。 Working Class …

Evangelische Frauenhilfe史料公開プロジェクト――ドイツ女性運動文書館より

デジタル・ドイツ女性アーカイブ(Digitales Deutsches Frauenarchiv)は、さまざまなプロジェクト助成事業を行っています。その取り組みの一つ、カッセルにあるドイツ女性運動文書館が所蔵する"Evangelische Frauenhilfe"の史料公開事業が2020年に始まった…