浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

2020-01-01から1年間の記事一覧

カント像を撤去すべきか否か――taz紙の記事より

2020年6月26日、 taz 紙にカント像を撤去すべきではない、という主張の記事が掲載されました。リンク先はこちらです。 Immanuel Kant und der Rassismus: Lasst das Denkmal stehen - taz.de ブラック・ライヴズ・マター運動を機に、世界各地で人種主義・植…

東西ドイツ統一への新しいパースペクティヴ――8人の女性と同性愛者のライフ・ストーリー

2020年7月2日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、「ベルリンの壁の崩壊」した転換期をテーマに東西ドイツの女性・同性愛者8人についての経歴を収録した冊子の書評が掲載されました。 Peggy Piesche (Hg.), Labor 89. Intersektionale Bewegungsg…

「社会の自己理解が問題だ」――ドイツにおける人種主義について

2020年7月2日、Jungle.World というジャーナルのウェブサイトに、ドイツにおける人種主義をめぐる論争を取り上げたインタビュー記事が掲載されました。タイトルとリンク先はこちらになります。 ”Es geht um das Selbstverständnis der Gesellschaft”, in Jun…

「家父長制を学ぶ」――1992年ドイツの妊娠中絶法改正をめぐって

2020年6月25日、デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトに「家父長制を学ぶ」というタイトルの論説が掲載されました。 Ulrike Lembke (2020): Partiarchat lernen, in: Digitales Deutsches Frauenarchiv, Zuletzt besucht am: 18.09.2020 1992年6月25…

1920年6月30日ベルリン「第1回国際ダダ・メッセ」について

ダダ、あるいはダダイズムは、戦間期のドイツ社会・文化について取り上げるならば、触れないわけにはいけません。しかし、わたしはほとんど説明できません。 2020年6月30日、ドイシュラントフンク(Deutschlandfunk、インターネット視聴可能な全国ラジオ放送…

イギリスの博物館とBlack Lives Matter運動――BBC Newsより

2020年6月29日に、BBC Newsのウェブサイトで、「どのようにイギリスの博物館がブラック・ライヴズ・マターに応えているのか」と題した論説が掲載されました。 How UK museums are responding to Black Lives Matter この論説には、「ブラック・ライヴズ・マ…

「ドイツ植民地犯罪と償いをめぐる闘い」――ドイツのJocobin誌ウェブサイト記事より

2020年6月29日にドイツのBrumaire Verlagという出版社から刊行されている雑誌『ジャコバン(Jocobin)』のウェブサイトに、ドイツ植民地主義にかかわる論説が掲載されました。 Maresi Starzmann, Deutschlands koloniale Schuld und der Kampf um Wiedergutm…

「反ファシズム小史」について――スミソニアン・マガジン誌のウェブサイトより

ローザ・ルクセンブルク財団からの情報で、2020年6月24日、『スミソニアン・マガジン(Smithsonian Magazine)』という雑誌のウェブサイトに、「反ファシズム小史」と題した論説が掲載されましたことを知りました。 James Stout, A Brief History of Anti-Fa…

「帰ってきたドイツ労働史」――GLHAについて

ドイツ労働史協会(German Labour History Association)、略称GLHAという団体を知りました。2017年2月に設立された団体で、労働史・労働運動史についての研究、発表、記録、教育事業および社会運動の促進を目的としています。ホームページはこちらからどう…

2020年度歴研大会特設部会準備ノート(12)――東歴研シンポコメント、大学・大学院進学率および高等教育機関への公私費負担の国際比較

1.東歴研コメントについて 2.「低学歴社会」としての日本――高等教育機関(学士号相当以上)の進学率の推移 3.高等教育機関への公財政支出の対GDP比とその公私負担の割合 1.東歴研コメントについて 2015年3月22日に東京歴史科学研究会が主催した緊急シン…

「ドイツ植民地主義」――ローザ・ルクセンブルク財団歴史ポッドキャスト第1回

ローザ・ルクセンブルク財団歴史部門の企画に、ポッドキャスト "Rosalux History" といいうプロジェクトがあります。 2020年8月25日に "Der deutsche Kolonialismus" (ドイツ植民地主義)と題した第1回放送が同財団ウェブサイトにアップされました。 Der de…

ナチ・ドイツによるフランス軍アフリカ人兵士の虐殺について――France 24より

2020年6月21日、国際ニュースチャンネル、France 24のウェブサイトに「フランス軍アフリカ人兵士のナチ虐殺、80年後」という記事がアップされました。 The Nazi massacre of African soldiers in French army, 80 years on 1940年6月にナチがフランスを侵略…

アリーセ・ザーロモン文書館のデジタル化プロジェクト――デジタルドイツ女性アーカイブより

2020年7月15日、デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトで、「社会事業の先駆的女性としてのユダヤ系女性たち」というタイトルの記事が掲載されました。 Jüdische Frauen als Pionierinnen der Sozialen Arbeit デジタルドイツ女性アーカイブは、アリー…

ドイツ学校教科書のなかの植民地主義――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2020年8月20日にローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトで、「教科書のなかの植民地主義」という短い論説が掲載されました。リンク先はこちらになります。 Steffen Vogel, Kolonialismus im Schulbuch: Was Schüler*innen heutzutage über den Kolonialismu…

小冊子『初心者のための文書館学』――ドイツ連邦文書館ウェブサイトより

2020年6月26日にドイツ連邦文書館ウェブサイトで、文書館学についての入門的な小冊子PDFが掲載されました。小冊子についての説明とPDFへのリンクが貼ってあるページはこちらからどうぞ。 Archivisch für Anfänger: 25 Fachbegriffe einfach erklärt 25の専門…

ヨーロッパのAmazon配送センターをめぐる越境的労働組合運動について――Sozial.Geschichte Onlineより

現代史関係のオンライン雑誌をみつけました。 Sozial.Geschichte Online. Zeitschrift für historische Analyse des 20. und 21. Jahrhunderts 雑誌のタイトルは「社会史オンライン――20・21世紀の歴史分析のための雑誌」という意味です。2020年6月25日付のKr…

2020年度歴研大会特設部会準備ノート(11)――人文科学分野および「史学」専攻の大学院生数と男女比の推移(1992-2019年度)

はじめに 1 人文科学分野各専攻の大学院生数の推移(1992-2019年度) 2 人文科学分野および「史学」の男女別大学院生数・男女比の推移(1992-2019年度) 所感 はじめに 前回、日本歴史学協会若手研究者問題検討委員会がウェブ・アンケート調査を実施するま…

市庁舎内ウィーン図書館(Wienbibliothek im Rathaus)のデジタル化事業について

Bib-Link.orgというドイツ語圏の図書館ファンのグループを知りました。*1 Bib-Link - verlinkt Bibliotheksfans! | Bib-Link.org そのBib-Linkより、市庁舎内ウィーン図書館(ウィーン市庁舎内図書館? Wienbibliothek im Rathaus)が蔵書のデジタル化に力を…

ドイツ連邦政府内閣議事録オンライン――ドイツ連邦文書館より

2020年6月18日にドイツ連邦文書館のウェブサイトに、1973年度ドイツ連邦政府内閣議事録の暫定オンライン版が注釈つきの完全版に差し替えられたとの情報が掲載されました。リンク先は以下の通りです。*1 Jahresband 1973 der Kabinettsprotokolle jetzt onlin…

オーストリア国立図書館の歴史紹介記事とデジタル化プロジェクト

VÖBBLOGというオーストリア図書館員団体が作成しているブログサイトがあります。 VÖBBLOG - Vereinigung Österreichischer Bibliothekarinnen und Bibliothekare 「オーストリア図書館員連合」と訳せばよいでしょうか。その団体が2020年6月23日にウィーンに…

ドイツの自転車の歴史に関心のある人に――Netzwerk Fahrrad/Geschichte

以前に、6月3日「自転車の日」に寄せたフリードリヒ・エーベルト財団の自転車関連新聞記事資料について、こちらで紹介しました。 別の機会に、19世紀末のハンブルクの自転車競走路についての研究・刊行プロジェクトに触れる機会がありました。当時の写真つき…

「ハーナウ後の120日」――現代ドイツにおける移民背景をもつ人たちとの連帯の取り組み

ローザ・ルクセンブルク財団が取り組んでいるプロジェクトの一つ、antifra* というブログがあります。*1 Blog | ANTIFRA - Debatte, Bildung, Vernetzung zu Migration und gegen Rassismus und Neonazismus ブログのタイトルに記されているとおり、こちらは…

2020年度経済史講義ノート――麻織物ができるまでの参考ウェブ動画資料

経済史の講義を担当しています。毎年、前期に一回はプロト工業化について説明します。*1 今年度は、竹田泉さんの『麻と綿が紡ぐイギリス産業革命』(ミネルヴァ書房、2013年)をもとに、大西洋市場、奴隷制プランテーション、イングランドによるアイルランド…

2020年度歴研大会特設部会準備ノート(10)――日歴協ウェブアンケート中間報告会の実施まで

はじめに 1 日歴協若手研究者問題検討委員会の設置へ 2 日歴協若手研究者問題検討委員会の実質的な活動開始へ 3 日歴協ウェブ・アンケート調査とその問題点 4 2017年2月の中間報告書の作成と3月中間報告会まで 所感 はじめに 今回は、日本歴史学協会(以下、…

外国史研究者のカタカナ表記の悩み

はじめに "v" と "w" について 「ッ」を入れるかどうか ドイツ語の "r" の表記 Duden至上主義で解決できる? ドイツ語の"-ow"のカタカナ表記 カタカナ表記の悩みは外国の研究者にあまり共有されない 地名・国名は収拾がつかない ビッグネームほどなかなか変…

東ドイツの歴史に関心のある人に――ドイツ連邦文書館ヴァーチャル展示「1953年6月17日」に寄せて

2020年6月17日、ドイツ連邦文書館のツイートで、同ウェブサイトにドイツ民主共和国、つまり東ドイツで1953年6月17日に起きた民衆蜂起についてのヴァーチャル展示がアップされていることを知りました。*1 Der 17. Juni 1953 社会状況の改善と政治的変化の要求…

女性参政権運動活動家スーザン・B・アンソニー――Daily Radical History「今日は何の日」に寄せて

今年のゼミにもフェミニズム関連の卒論を予定している人がいます。 指導する側の知識が心もとないので、ふだんから色々と気になる情報があったら書き留めるようにしています。 Daily Radical Historyのツイートで、6月17日は、1873年にアメリカ合州国女性参…

ドイツ再統一に関する録音記録紹介――ドイツ連邦文書館より

2020年は、1989/90年のドイツ再統一より30周年です。 ドイツ連邦文書館のウェブサイトには、ドイツ再統一に関する録音記録33本が短い解説つきでアップされています。5年前にすでに公開されているものですので、すでに知っている人も多いかもしれません。録…

オンラインジャーナルHistoreinの最新号、グローバル労働史特集

この新型コロナ危機のなか、オンライン・ジャーナルの存在がありがたいです。Historeinというオンライン・ジャーナルを知りました。ウェブサイトは以下の通りです。 Historein: a review of the past and other stories ギリシャのアテネに所在するCultural …

ヘッセン州立文書館移民データバンクHESAUSについて

ドイツのヘッセン州立文書館が同州出身の移民データバンクをオンラインで提供するサービスを開始しました。*1 HESAUS - Datenbank des Hessisches Landesarchiv zur Auswanderung online 1980年代半ば以降、3つのヘッセン州立文書館が独自に移民データバン…