浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツ史|戦後史・冷戦史・現代史

東ドイツ史に関する史料簡解――ドイツ連邦文書館より

ドイツ連邦文書館のウェブサイトに、「ドイツ民主共和国史――ドイツ連邦文書館およびシュタージ文書館所蔵の注釈つきの史料」というタイトルのページが公開されました。 DDR-Geschichte: Kommentierte historische Quellen aus den Beständen des Bundesarchi…

ライプツィヒ大学――第二次世界大戦後の左派知識人の交流の場として

2022年3月25日、ドイツ語圏の左派系メディア、nd のウェブサイトに、「一時的な協定」と題して、第二次世界大戦後のライプツィヒ大学が左派知識人にとって果たした役割を解説する論説が掲載されました。 Ernst Müller, Ein Pakt auf Zeit, in: nd, 25. März …

「女性と労働組合」――Hypothesesより

2022年3月8日、人文社会科学系研究ブログ・プラットフォームを掲げる Hypotheses というウェブサイトに、「女性と労働組合――繊維衣服産業組合の女性を事例にした労働組合史における新しい視角形成のための論告」というやや長い副題をもつ論説が掲載されまし…

東ヨーロッパを(忘れ)学ぶ――現代史オンラインより

2022年3月15日、ドイツ語圏の現代史研究ウェブサイト、zeitgeschichte | online(現代史オンライン)に、「東ヨーロッパを(忘れ)学ぶ――新しい歴史文化への論告」というタイトルの論説が掲載されました。 Elisa Satjukow, Osteuropa (ver)lernen: Ein Plädo…

ローマ・クラブ「成長の限界」から50年――nd紙より

1972年3月2日に発表されたローマ・クラブの「成長の限界」から50年ということで、3月1日にドイツの左派系 nd 紙より、当時、ドイツの左派がこの報告書をどのように受け止めたかを振り返る論説が掲載されました。 Alexander Amberger, Mangel an Kapitalismus…

Gedenkort-T4――ナチ「安楽死」犯罪に関するウェブサイトについて

Gedenkort-T4は、ベルリンのティーアガルテン通り4番地で行われたナチによる「安楽死」殺人の犠牲者を祈念し、その歴史についての情報を発信するオンライン・サイトです。2011年以降、このサイトは設置されているとのことです。 T4 Gedenk- & Informationsor…

1956・57年ドイツ金属工業労働者ストライキ――北ドイツ放送より

2022年2月20日、北ドイツ放送(NDR、Norddeutscher Rundfunk)のウェブサイトに「時間旅行――金属工業労働者ストライキ、1956・57年」というタイトルの放送が掲載されました。 Karl Dahmen, Zeitreise: Der Metallarbeiterstreik 1956/1957, in: NDR, 20. Feb…

「これは非ナチ化ではなく、ホロコーストの歪曲・軽視だ」――シュピーゲル誌のインタビュー記事より

2022年2月28日、ベルリンの代表的な週刊誌『シュピーゲル』のウェブサイトに、ロシア大統領ウラジミール・プーチンがウクライナ侵攻を正当化する際に、「非ナチ化」だと主張することを批判するインタビュー記事が掲載されました。 Isabel Metzger, Ukraine-K…

月刊誌UTOPIE kreativ のオープンアクセス化について

2022年2月17日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに掲載された記事によって、月刊誌"UTOPIE kreativ" (創造的ユートピアの意)の第1号(1990年9月)から第61号(1995年11月)がオープンアクセス化したことを知りました。 «Utopie kreativ» Heft 1-…

2010年1月27日、ドイツ連邦議会でのポーランド人歴史家ティッチのゲスト・スピーチ――ナチズムの犠牲者を悼んで

ドイツ連邦議会のウェブサイトに、ゲスト・スピーカー一覧のページがあります。 Deutscher Bundestag - Reden ausländischer Gäste im Plenum des Deutschen Bundestages その一つとして、2010年1月27日に行われたナチズムの犠牲者を悼むために、招待された…

ナチ・ドイツによるウクライナ侵攻、1943・44年――nd紙の書評より

プーチン政権下のロシアによるウクライナ侵略戦争が起きています。 2022年2月1日、ドイツ語の左派系オンライン新聞、nd紙に、「限りない残酷さ」というタイトルで、1943・44年のナチ・ドイツによるウクライナ侵略における暴力を研究した本の書評が掲載されま…

「魔女とフェミニズム的解放へ?」――『労働-運動-歴史』雑誌掲載オープンアクセス論文の

2022年1月24日、ドイツ語圏の専門誌『労働-運動-歴史――歴史研究雑誌(Arbeit-Bewegung-Geschichte: Zeitschrift für Historische Studien)』に、1970・80年代における第二次フェミニズム運動期における魔女狩り研究が活性したことを取り上げた論文が掲…

Z世代とナチズム――ターゲスシュピーゲル紙より

2022年1月25日、ベルリンの日刊紙『ターゲスシュピーゲル(Tagesspiegel)』オンライン版に、「Z世代とナチズム――若者は親よりもナチ期に関心がある」というタイトルの論説が掲載されました。 Christoph David Piorkowski, Generation Z und Nationalsoziali…

ユダヤ系の人びとによるナチズムへの抵抗について――『南ドイツ新聞』近刊3冊の書評より

2022年1月23日、『南ドイツ新聞』のウェブサイトに、ナチ・ドイツのテロ行為にユダヤ系の人びとの抵抗にかんして、近刊の3冊を紹介する論説が掲載されました。「ホロコースト――決死の覚悟をもった人たち」という意味の題名です。 Stephan Lehnstaedt, Holoca…

1979年ゴーアレーベン・トレック――ドイツの反原発運動の歴史についての書評など

歴史学の書評を専門とするドイツ語のオンライン・ジャーナル sehepunkte に、ドイツ反核運動を象徴する出来事の一つ、1979年のゴーアレーベン・トレックに関する論文集の書評が掲載されました。 Detlef Schmiechen-Ackermann / Christian Hellwig / Wienke S…

ファシズムに抗する研究調査プロジェクト――「反ファシスト・ヨーロッパ」について

ファシズムに抗する「反ファシスト・ヨーロッパ」という研究プロジェクトを知りました。ホームページへのリンクはこちらです。 Antifascist Europe 極右および右翼ポピュリスト政党の展開とトランスナショナルなネットワークを監視することを目的としていま…

世界エイズデーに寄せたドイツ連邦文書館のヴァーチャル展示

もうだいぶ過ぎてしまいましたが、12月1日は世界エイズデーということで、ドイツ連邦文書館のウェブサイトでは、関連するヴァーチャル展示が公開されています。リンク先はこちら。 "Gemeinsam die Herausforderung annehmen" – 1. Dezember Welt-AIDS-Tag, i…

ドイツ連邦共和国の「赤狩り」から50年――taz紙より

2021年12月26日、およそ50年前にドイツ連邦共和国で制定された「過激派取締令 (Radikalenerlass)」を振り返る記事が taz 紙に掲載されました。 Katharina Schipkowski, 50 Jahre Radikalenerlass: Jagd auf Linke, in: taz, 26. Dezember 2021. 1972年1月2…

現代ドイツ労働法とナチ期との連続性について――ドイチュラントフンクより

2021年12月14日、ドイチュラントフンクより「ハンス・カール・ニッパーダイの家父長主義的労働法――企業家に心服する」というタイトルの記事と録音放送が掲載されました。 Peter Kessen, Das paternalistische Arbeitsrecht des Hans Carl Nipperdey: Den Unt…

Public History Weeklyの脱植民地化特集

すでにご存じの方も多いと思いますが、Public History Weekly というオンライン雑誌があります。その第9号に脱植民地化特集が組まれました。2021年11月に連続して5本が掲載されています。 以下にリンクを貼っておきます。英語版とドイツ語版があります。 Tho…

1937・38年ソ連での大テロルにおけるドイツ出身・ドイツ国籍者の犠牲者――ローザ・ルクセンブルク財団よりオープンアクセス文献

2006年3月、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトで、以下の文献が公開されました。オープンアクセスです。 Ulla Plener/ Natalia Mussienko (Hrsg.) (2006) Verurteilt zur Höchststrafe: Tod durch Erschießen, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung. 「死刑…

1956年のドイツ共産党禁止に関する当時のARD報道リスト

1956年、冷戦期に西ドイツでドイツ共産党(KPD)が禁止されました(1968年に新しい別の組織として、ドイツ共産党(DKP)が認可)。 この出来事について、ローザ・ルクセンブルク財団SNSより、当時のニュース報道をまとめたサイトのリンクを知りました。ARD 1…

権力の問題を覆い隠すような誤った「学問の自由」ではなく――Geschichte der Gegenwartより

2021年12月8日、ドイツ語ウェブサイト Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に、「神話ではなく権力関係を――学問の自由の解放的理解のために」と題された共同署名の論説が掲載されました。 Robin Celikates / Katharina Hoppe / Daniel Loick / Martin No…

「1948年ゼネスト――ドイツ連邦共和国の神話」――nd紙より

数年前の記事ですが、2018年11月9日、ドイツ語圏の左派系オンライン紙 nd に掲載されたインタビュー記事を紹介します。1948年11月12日にドイツ連邦共和国で起きたゼネストと「社会的市場経済」の標語の登場を取り上げたものです。 Generalstreik 1948: Der M…

ハンガリー蜂起――ドイツ連邦文書館ヴァーチャル展示より

2021年10月23日から11月11日まで、ドイツ連邦文書館は、「ハンガリー蜂起」――「ハンガリー動乱」の方がなじみがあると思います――の65周年を機に、同館およびシュタージ文書館に所蔵されている史料に注釈をつけて、公開しており、同時にオンライン上での史料…

ベルリン最初の「女性の家」(1976ー2001年)について――デジタルドイツ女性アーカイブより

少し前になりますが、2019年3月にデジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトに、ドイツ連邦共和国で最初に設立された「第一ベルリン女性の家(Erstes Frauenhaus Berlin)」についての論説が掲載されました。興味が引かれましたので、リンクを貼っておきま…

第二次世界大戦後のハンブルク女性運動関係資料収集・デジタル化プロジェクト――Hamburger Frauenringなど

2021年10月8日、デジタルドイツ女性アーカイブ(Digitales Deutsches Frauenarchiv)のウェブサイトで、同機関が研究助成を行い、ハンブルク女性市文書館(Frauenstadtarchiv Hamburg、FSA)が推進するプロジェクトを紹介する記事が掲載されました。プロジェ…

ドイツにおけるアフリカ系の人びとの歴史――3satのドキュメンタリー

2021年9月29日、ドイツ、オーストリア、スイスの公共放送局が共同で提供する衛星放送総合テレビ・プログラム、3satのウェブサイトに「元々どこから来たの――ドイツにおける黒人」というタイトルのドキュメンタリー放送がアップされました。リンク先はこちら。…

「ドイツ統一、ドイツの多様性――10月3日のための新しい語りへの探求」について

これまで何度か、ドイツ語圏の歴史系ウェブサイト Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に掲載された論説を紹介してきました 。 ありがたいことに、前回紹介したジェノサイド研究者A・ディルク・モーゼス(A. Dirk Moses)さんの論考は、文章だけでなく、…

東西ドイツ統一から31年目のあれこれ

ドイツ再統一から31年目ということで、色々と関連情報が回ってきます。とくに移民視点のものが多いですね。 まず、フェアブレッヒャー出版社(Verbrecher Verlag)より、移民とユダヤ系の視点からみた「壁の崩壊」の記憶を問い直す論集です。それにしても Ve…