浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

講義・ゼミ関係

ドイツ連邦文書館所蔵の映像資料検索――ヴァイマル共和国を事例に

ドイツ連邦文書館は映像資料の所蔵・公開にも力を入れています。ウェブサイトはこちらです。 Filme aus dem Bestand des Bundesarchivs 2020年10月中旬にドイツ連邦文書館のSNSでヴァイマル共和国期の多くの映像資料がデジタル化されたとのお知らせがありま…

1919年にベルリンに設立された性科学研究所について――Der Tagesspiegel紙の記事より

ここのところ、卒論テーマに同性愛を選ぶ学生を指導する機会が続いています。 2019年7月5日付のデア・ターゲスシュピーゲル紙に、100年前にベルリンにマグヌス・ヒルシュフェルトが設立した性科学研究所(Instituts für Sexualwissenschaft)についての論説…

アンジェラ・デイヴィスとドイツ民主共和国

2020年10月16日、中部ドイツ放送(Mitteldeutscher Rundfunk)のウェブサイトに、「アンジェラ・デイヴィス、ドイツ民主共和国における一人の米国人女性」という記事が掲載されました。 Angela Davis, eine Amerikanerin in der DDR, in: Mitteldeutscher Ru…

Slave Voyages のウェブサイトとメアリー号の航海日誌についての記事

大西洋奴隷貿易についての総合的なデータベースを提供するウェブサイト、Slave Voyages について、ご存知の方も多いかと思います。 Slave Voyages 日本語文献では、布留川正博さんによる以下の研究論文がありますし、また布留川さんは岩波書店から2019年に公…

「大学と植民地主義――ゲッティンゲン大学の事例」ウェブサイト

ゲッティンゲン大学にはドイツ植民地史を専門とするレベッカ・ハーバーマス(Rebekka Harbermas)氏がいます。その2019年のゼミナールの一環で、「大学と植民地主義――ゲッティンゲン大学の事例」というウェブサイトが作成されています。 Universität und Kol…

「ゲルマン人」展について――James-Simon-GalarieとNeues Museumにて2021年3月まで開催

ベルリンの博物館島(Museumsinsel)にある ジェームズ・サイモン・ギャラリー(James-Simon-Galarie)と新博物館(Neues Museum)で「ゲルマン人――ある考古学的目録調査」展が2021年3月まで開催されています。新型コロナ感染の再拡大で今後、どうなるかはわ…

東ドイツにとっての体制転換を振り返る――ドイツ連邦政治教育センターより

2020年9月8日、ドイツ連邦政治教育センター(Bundeszentrale für politische Bildung、bpb)のウェブサイトのコーナー Deutschland Archiv(ドイツ文書館)に、東西ドイツ統一についての論説が掲載されました。 ここではドイツ民主共和国、つまり東ドイツに…

第一次世界大戦後の帰属をめぐる東西プロイセン地域での住民投票――ドイツ連邦文書館ウェブサイトより

ドイツ連邦文書館のウェブサイトには、「ヴァイマル共和国――最初のドイツ民主政」と題した、同文書館所蔵の関連資料についての特集ページが作成されています。 Weimarer Republik - Die erste deutsche Demokratie. Ein Themenportal des Bundesarchivs mit …

W・E・B・デュボイスのヨーロッパ旅行ルート(1892-1894年)――Helmut Walser Smithさんのウェブサイトより

数多くの研究業績をもつドイツ近現代史研究者、Helmut Walser Smithさんのホームページに、W. E. B. デュボイスが1892年から1894年にかけてヨーロッパを旅行したルートを記した地図がアップされました。HWS Mapsと題されたページに掲載されています。 The Tr…

金属製の拘束具と手錠――人種差別的な警察行動における英米間「特別な関係」について

2020年7月9日、History Workshopのウェブ・サイトに人種主義的な警察行動についての歴史を振り返る論説が掲載されました。 Joseph Yannielli and Christine Whyte, "Shackles and Handcuffs: The 'Special Relationship' of Racist Policing", July 9, 2020,…

ドイツの大学で歴史学を学びたい人に

2020年7月7日にドイツ歴史学者の団体、Verband der Historiker und Historikerinnen Deutschlandsより、歴史学が学べるドイツ高等教育機関の一覧サイト案内が配信されました。 各学問分野別の大学情報を集めたポータルサイト、Studium.org のなかの Geschich…

スイスの社会民主主義者・労働運動活動家ロベルト・グリムの旅行記(1902年)

いつもローザ・ルクセンブルク財団からお役立ち情報を入手しています。 社会民主主義者で、20世紀前半にスイスの労働運動の指導的人物であったロベルト・グリム(Robert Grimm、1881年4月16日-1958年3月8日)の旅行記が、ロベルト・グリム協会ウェブサイト…

フレデリック・ダグラス「奴隷にとっての独立記念日」演説についてのあれこれ

2020年7月4日、ローザ・ルクセンブルク財団「歴史」部門からの情報で、「奴隷にとっての独立記念日」の意味を問う、フレデリック・ダグラスの演説史料がインターネットで公開されていることを知りました。 Frederick Douglass, "What to the Slave Is the Fo…

1920年6月30日ベルリン「第1回国際ダダ・メッセ」について

ダダ、あるいはダダイズムは、戦間期のドイツ社会・文化について取り上げるならば、触れないわけにはいけません。しかし、わたしはほとんど説明できません。 2020年6月30日、ドイシュラントフンク(Deutschlandfunk、インターネット視聴可能な全国ラジオ放送…

イギリスの博物館とBlack Lives Matter運動――BBC Newsより

2020年6月29日に、BBC Newsのウェブサイトで、「どのようにイギリスの博物館がブラック・ライヴズ・マターに応えているのか」と題した論説が掲載されました。 How UK museums are responding to Black Lives Matter この論説には、「ブラック・ライヴズ・マ…

「反ファシズム小史」について――スミソニアン・マガジン誌のウェブサイトより

ローザ・ルクセンブルク財団からの情報で、2020年6月24日、『スミソニアン・マガジン(Smithsonian Magazine)』という雑誌のウェブサイトに、「反ファシズム小史」と題した論説が掲載されましたことを知りました。 James Stout, A Brief History of Anti-Fa…

ナチ・ドイツによるフランス軍アフリカ人兵士の虐殺について――France 24より

2020年6月21日、国際ニュースチャンネル、France 24のウェブサイトに「フランス軍アフリカ人兵士のナチ虐殺、80年後」という記事がアップされました。 The Nazi massacre of African soldiers in French army, 80 years on 1940年6月にナチがフランスを侵略…

2020年度経済史講義ノート――麻織物ができるまでの参考ウェブ動画資料

経済史の講義を担当しています。毎年、前期に一回はプロト工業化について説明します。*1 今年度は、竹田泉さんの『麻と綿が紡ぐイギリス産業革命』(ミネルヴァ書房、2013年)をもとに、大西洋市場、奴隷制プランテーション、イングランドによるアイルランド…

外国史研究者のカタカナ表記の悩み

はじめに "v" と "w" について 「ッ」を入れるかどうか ドイツ語の "r" の表記 Duden至上主義で解決できる? ドイツ語の"-ow"のカタカナ表記 カタカナ表記の悩みは外国の研究者にあまり共有されない 地名・国名は収拾がつかない ビッグネームほどなかなか変…

女性参政権運動活動家スーザン・B・アンソニー――Daily Radical History「今日は何の日」に寄せて

今年のゼミにもフェミニズム関連の卒論を予定している人がいます。 指導する側の知識が心もとないので、ふだんから色々と気になる情報があったら書き留めるようにしています。 Daily Radical Historyのツイートで、6月17日は、1873年にアメリカ合州国女性参…

「植民地スキャンダル」――1894年、A・ベーベル、帝国議会に鞭を持ち込んでドイツ植民地政策を批判する(Das Parlament、2020年1月6日)より

アウグスト・ベーベルは、19世紀末から20世紀初頭にかけてドイツ社会民主党の中心人物の一人です。1894年2月、彼が帝国議会で鞭を持ち込んでドイツ植民地政策を批判した事件も比較的知られた事件かもしれません。 ベーベルは持ち込んだ鞭を手に、ドイツ植民…

「どのように右翼は歴史を歪曲するか」――アンネ・フランク教育センターのブックレット

フランクフルト・アム・マインにあるアンネ・フランク教育センターのウェブサイトを訪問しました。 Bildungsstätte Anne Frank もとは、2020年6月15日の「デジタル・アンネ・フランクの日」の情報に接することがあって、もう一度確認するためでした。 2017年…

The Economic History ReviewとOxford Academicの感染症関連論文特集

1.The Economic History Review 2. Oxford Academic 補遺 研究メモです。 The Economic History ReviewとOxford Academicは、新型コロナ感染症に直面する今、感染症の歴史に関連する過去の論文をまとめたウェブサイトを公開しています。そちらに掲載された…

ミニチュア模型特別展示「分断された都市、1945-1990年」――フォーラム・ヴィリー・ブラント・ベルリンより

第二次世界大戦後のベルリンの歴史に関心のある人には興味が引かれる情報かもしれません。*1 ヴィリー・ブラント財団より。Forum Willy Brandt Berlinでミニチュア模型特別展示「分断された都市、1945-1990年」が開催中です。入場無料とのことです。2020年1…

ホロコーストとBlack History Matters――ノイエンガメ強制収容所記念館より(2020年8月18日更新)

はじめに Anton de Komについて はじめに ハンブルク近郊にナチのホロコーストを追悼・記録・検証する施設、ノイエンガメ強制収容所記念館があります。*1 同施設のウェブサイトはとても充実しています。そして同時に、SNSによる発信も積極的に行われています…

「自転車の日」に寄せて――フリードリヒ・エーベルト財団より

ドイツ社会民主党系のフリードリヒ・エーベルト財団(Friedrich-Ebert-Stiftung)が6月3日の「自転車の日」に寄せて、ちょっとした情報を提供してくれました。*1 同財団ウェブサイト内のドイツ社会民主党系新聞史料オンラインから「自転車」関連記事を検索す…

E・ホブズボーム――ローザ・ルクセンブルク財団historyの「今日は何の日」に寄せて

ローザ・ルクセンブルク財団はいくつものTwitterアカウントをもっていますが、そのうちのhistoryのアカウントから、2020年6月9日に「今日は何の日」ツイートがありました。*1 rls_history (@rls_history) 2020年6月9日 歴史家エリック・ホブズボーム(Eric H…

バスティオン・ポイント――ニュージーランドのマオリの歴史に関連して

ドイツ植民地主義を研究する立場から、オセアニア地域での先住民権利回復運動に関する歴史についても、関心をもっています。 Working Class Historyより、労働運動史にとって「今日は何の日」という情報が発信されていますが、2020年5月25日には、先住民関連…

イギリス女性参政権運動の歴史に関連して――D・F・モンテフィオーリ(1851-1933年)

大学で経済史の講義を担当していますが、最近のフェミニズムの再評価の流れもあって、学生から欧米の参政権運動の歴史について尋ねられることが多くなりました。 Working Class Historyは、毎日、労働運動に関する情報を提供してくれており、そのなかには女…

「ドイツ基本法と議会評議会」――ドイツ連邦政治教育センター特集ウェブサイト

第二次世界大戦の終結から75周年ということで、ドイツ語圏のインターネット空間でも色々な取り組みがみられます。 2020年5月23日、つまり1949年5月23日にドイツ連邦共和国基本法への署名・公布された日に合わせて、ドイツ連邦政治教育センターのウェブサイト…